「やりたいこと」をみつけるために・・・

 この6月は、11月の科目選択にむけた説明会やガイダンスなどがスタートする時期です。11月に最終決定する科目選択は、次の学年で何を学ぶのかということを決めるのですが、それは次の学年の学習だけに限らず、将来の進路にも関わってきます。理想論でいうと、「将来の進路が明確になって大学で学びたい内容、行きたい学部が明らかになって、科目を選ぶ」ということです。ですが、高校生の君たちに「将来何になりたいか?」と聞かれて「○○です」と答えられる人はどれだけいるだろう?おそらく答えられる人のほうが少数だろうと思います。「だったら安心!もう少しゆっくり考えよう」とできたらいいが、そうも言っていられない。いったん選択した科目が「やはり自分に向いていないから、違う科目を勉強する。だけど、もう選択を変えることができないから自分で勉強する」ということができれば、問題は簡単だ。僕が高校の時は、そういう友達は周囲に少なからずいたし、実際授業とは関係ない内容を一人で勉強していたやつはたくさんいた。ところが、今の君たちは「学校から与えられること」が常になっているので、簡単に「自分で勉強するよ」ということはできない。だから、真剣にミスマッチがないように科目選択を行わなくてはならない。

 さて、「将来何をやりたいのか・・・」なかなか見つからない人のために、参考になるかどうかわからないが東大の先生の話を紹介しましょう。詳しくは、下のブログを読んでください。中原淳という東京大学 大学総合教育研究センター 准教授の方です。東大の先生というイメージから想像する人とは全然違う「けっこうしゃれている人」です。昨年京都大学で催された大学生研究フォーラムで初めて話を聞きました。大学から仕事へのトランジションの話をしていて、話は平易でとても面白い人です。

 彼が言うのは、「やりたいことを見つけるためには、二つのことをやってみる」ということです。まず、何でもいいからちょっとでも興味があったり、やってみたいことをやってみる。そしてその事と自分の感じたことのズレを考えてみるということです。だから、まずは、「やってみろ!」ということ。そして、二つ目は、「自分が何がやりたいかわからなければ、他人のためになると思うことをやってみれば・・・」ということです。そうすれば、やがて自分は何に向いていて、何がやりたくて、何にやりがいを感じるかも見つかるだろうというのです。

そうですよね。昔「自分探し」という言葉がはやりましたが、自分なんて他人との関係の中でしかわかりません。そして何かを始めなければわからないのです。1年生・2年生のみなさん。今年の夏はまずは行動しましょう。大学のことがわからなければ、まずは大学に行ってみる。仕事のことがわからなければ、その業界の人に聞いてみる。そうすることで、「自分とのズレ」が体験できます。そうやって、自分のやりたいことを見つけていきましょう。

中原淳先生のHP

http://www.nakahara-lab.net/blog/

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