夏の全校集会での話

 本日7月17日、夏の全校集会が開催されました。以下、集会で私が話した内容です。

 みなさん、おはようございます。今日は、2015年という今年について話をしたいと思います。2015年というのは、節目の年であり、日本現代史にも残るであろうと思われる年であるということです。さて、節目の話です。今から400年前、大坂夏の陣が起こりました。みなさんもご存じのように豊臣家が徳川家康に滅ぼされた戦です。その戦では、真田幸村、後藤又兵衛、長宋我部盛親、木村重成など、滅びていった豊臣型の浪人や家来が有名です。私も大阪の人間ですから、豊臣方に思い入れがあります。一方徳川家康はどうかというと、どうも評判がよくない。「タヌキおやじ」などと入れています。それは、なぜかというと豊臣方を滅ぼすのに、はっきり言って汚い手口を用いたからです。今の時点でいえば、いじめ・嫌がらせ・脅し・恫喝、あらゆることをやったわけです。だから、どうも人気がない。ですが、徳川家康の側から見ると、夏の陣以降260年にわたる平和な時代が日本に到来したわけですから、もう少しきちんと評価されてもいいのではないかと思います。平和の功労者として、家康を評価してもいいと思います。

 なぜ、このような話をしたか。それは「平和」ということについて考えてほしいからです。2015年は戦後70年です。この夏には、安倍首相は「戦後70年談話」を出すでしょう。昨日は衆議院で安保関連法案が通過しました。平和・安全保障という観点からも、2015年という年は現代史に残ります。そして、マスコミはあまり大きく取り上げませんでしたが、今年は日韓基本条約締結50年の年でもあります。今、日本でも韓国でもお互いの相手に対する国民感情が、よろしくありません。世界では、「隣国と仲良くやるのは難しい」と言われていますが、それでもどうやって付き合っていくのかは考えないといけません

 さて、2015年が日本現代史に残る年であるという理由です。それは、選挙年齢の引き下げが行われたということです。来年の参議院選挙から実施されます。その時には、今の3年生は全員、2年生でも何割かの生徒が選挙権を持っています。今、安全保障・平和・外交という話題を持ち出しましたが、今の日本は課題が山積しています。この課題に対して、あなたたちも自分なりの答えを持ってほしいと思っています。「自分の信条を自分の言葉で語ること」がとても大切だと思います。

 生徒の一人と話す機会がありました。「大阪都構想の選挙行きたかったなぁ・・・。あれは、大阪の未来の話でしょう、俺たちのことじゃないですか。投票に行きたかったかなぁ・・・」と話していました。私はとてもうれしく思しましたね、このように思っている生徒がいるんだと。5月に実施された大阪都構想の選挙では、賛成・反対の票がわずか1万票差です。もし、18歳・19歳に選挙権があったら、結果はどうなっていたかわかりません。政治のことを自分たちの課題として、考えてほしいと思います。これは、何も新しく選挙権が与えられる若者だけに話すことではないです。大人たちにも言えることです。ですが、やはり新しく選挙権を与えられる君たちに考えてほしいと思い、今日はこのような話をしました。2015年は、日本現代史に残る年です。日本史の教科書、政経の教科書に載る年です。そういう時代を今君たちは生きているんだと思ってください。以上、話を終わります。

以上が、集会で話した内容です。最初の大阪夏の陣の話には、ネタがあります。司馬遼太郎さんの「風塵抄」というエッセーに載っている話です。1991年3月4日の「平和」という題のエッセーです。その時代は、PKO法案が審議されていた時代です。司馬さんは、その中で平和を保つためには、「国益・民族感情・宗教」という三つを投げ捨てればうまく話が進むと指摘しています。この三つが「爆弾」と言っています。この時司馬さんは、「『この三つをあずければ、国家も民族も人間もなくなる』と激情をもって叫ぶような政治家は、近頃少なくなっている。だから、私どもは、半世紀前より進歩しているかのようである」と述べて、戦前の日本と戦後の日本の変化に誇りを持つべきと述べています。

 さて、世界を見てましょう。今、司馬さんが指摘した「国益・民族感情・宗教」が大きな国際紛争の原因になっていますし、平和を築くための障壁になっています。司馬さんが抱える4つのルール、すなわち

    他国を侵略するな

    自国民に対する専制をやめよ

    他国から金を借りれば必ず返せ

    過剰な軍備をするな

ですが、果たして今の世界は、このルールとは真逆の方向に進んでいるように思えるのは、私だけでしょうか。これからの日本を背負い、世界で活躍するであろうあなたたちには、是非とも自分のポリシーを持ってほしいと思っています。老婆心ながら忠告です。よく若者は「思想に染まる」ことがあり、劇場型に走る傾向があります。そうならないためには、「自分の考えは、自分の言葉で語ること。人の言葉で語れば、それは自分の考えではなく、人の考えになること」に気をつけてほしいと思っています。

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