2016年 あけましておめでとうござます!

 市岡高校の生徒のみなさん、保護者の皆様、そしてこのブログに訪れていただいた人へ。2016年、あけましておめでとうございます。新しい年がスタートしました。新年にあたり、生徒のみなさんに伝えておこうと思うことがありますので1月1日からブログを書いています。

それは、「新聞を読もう」ということです。言わずもがなのことですが、今の若い人たちは、スマホを中心にインターネットから情報を得ています。ところがインターネットは、そのブラウザを使う人の嗜好を考えて、どのような情報を提供すればよいかを画面に表示します。野球好きの人は野球の情報を、サッカー好きの人はサッカーの情報を、というように。だから、インターネットだけから情報を得ていると、世の中の情報をきちんと得られるか少し不安なのです。そこで、みなさんに伝えたいのは「まずは新聞を読みましょう。」ということです。それもインターネットでなく、紙の新聞を読みましょう、と提案したい。新聞社各社によってそれぞれの特徴があって、編集方針も違いますが、それでも世の中の基本的な動きは新聞には掲載されています。だから、新聞を読むことで世の中の動きが一応一通り認識することができるのです。

 さて、私は勤めだしてから30年あまり毎年元旦にしていることがあります。それは、各新聞社の元旦の新聞を買って読むことです。特に社説を読むことにしています。それはなぜか。日本の言論界をリードする各新聞社が、今の世界を、この日本をどのように捉え、今年の展望をどのように見出しているかが、一番よくわかるのからです。今日も朝起きて、さっそく近くのコンビニにでかけ、読売、朝日、毎日、産経の4社の新聞を買ってきました。各新聞社の社説の見出しは、以下の通り。

<読売新聞>

「世界の安定へ重い日本の責務―成長戦略を一層強力に進めたい」 

「国際秩序の安定をどう取り戻すか。世界は今、大きな試練に直面している」という書き出しから始まる長文の社説です。

<毎日新聞>

「多様なほど強くなれる―2016年を考える 民主主義」

というテーマで、国際情勢、国内情勢を分析し、多様性の不寛容さに危機感を述べています。そして最後に20世紀初頭のフォースターの民主主義の言葉「民主主義には『万歳二唱』しよう。一つは、それが多様性というものを認めているから。二つ目には、それが批判を許しているからだ。この二つさえあればいい」を引用し、民主主義の重要性を説いています。

<産経新聞>

「再生に向かう力の結集を」

というテーマで論説委員長の論稿を掲載しています。日本の「今」抱えている課題を整理し、「権利を行使する先に再生の看板も掲げよう。それを阻む要因を取り除くには強い力が必要だからだ」と強いリーダーシップの必要性を説いています。

<朝日新聞>

朝日新聞は、1面の記事から違っています。『18歳を歩く』と題した特集を1面~3面まで掲載し、今年選挙権を持つことができる18歳に焦点を当てています。さらに、社説では、

「分断される世界―連帯の再生に向き合う年」

というテーマでここでも民主主義について危機感を表明しています。

さて、元旦の新聞の社説などを紹介してきましたが、これだけでも今の世界情勢、国内情勢、我々が直面している課題が浮かび上がってきます。テロへの危機感、宗教的対立や経済的対立などで分断される世界への危機感、不寛容の意識が拡散している民主主義への危機感、世界史は大きく動いています。歴史の転換点に差し掛かっているかもしれません。

そんな2016年は、アメリカ大統領選挙の年でもあります。どんな政策を掲げた、だれが大統領に当選するか、世界が注目するでしょう。そして、何よりも今年はオリンピックイヤーです。もう一度、平和の祭典、オリンピックの意義を再確認する必要があると思います。多様性を受け入れ、寛容こそが平和と繁栄の基礎です。

以上、元旦に思うことを綴ってみました。皆様にとって幸せな2016年でありますように・・・

 

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