1976年の夏(72期学年通信第22号 寄稿)

 1976年の夏、私は高校3年の夏休みをむかえていた。自分なりに頑張った部活を引退し、与えられた時間の殆どを受験勉強一本に集中させていた。何のために勉強するのか、とか、この勉強が将来何の役に立つのか、とか、真剣に向き合うべきであったが、そこは考えぬことにしてひたすら勉強に没頭した。

 夏休みは朝5時に単語帳を開くところから始まり11時まで英語と数学の2教科。11時からは暑くなり集中力が落ちるため(当時エアコンは殆どなかった。)勉強は中断。夏バテしないよう昼食をしっかり取り、その後は寝落ちする前提で読書の時間に充てていた。陽が落ち始めた頃、まず水を浴び頭を覚醒させ、軽い夕食。そして7時から勉強再開。当時の大学受験ラジオ講座など聴きながら11時まで世界史と国語の2教科。10時間は勉強した。それでもU君(友人)には及ばなかった。彼は、私が昼寝している時間もやっていた。フィジカルとメンタルで私は負けていたのだ。彼は最高学府と言われる大学に進んだ。

 こんな3年の夏休みを過ごしたが、二度だけ外出した。一度は外部の模試。ひとりでバスと電車を3時間乗り継いで大阪まで出た。まわりはみんな自分よりできそうに見えたが、気持ちで負けないようにした。もう一度はここにしかいかぬ、と決めた志望校の下見で東京へ。兵庫の田舎者にとっては冒険だった。伝統の講堂を見上げ肚がすわったように思う。

時間の使い方は自由だ。しかし、この1年だけは自分で自分をほめたくなる1年にしてほしい。全力を尽くし、そして自信をもて。市岡生!

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