7/26 「探究Ⅰ」選択制講演会③〈飢餓〉

先週から始まった「探究Ⅰ」講演会。

7/26(月)の13:30からは、「飢餓」をテーマに、現在大阪府立農芸高校にもお勤めの 嶋 美(しま びい)さんにお越しいただいて、お話をお聞きしました。

嶋さんは、バスケに明け暮れた高校時代に、新聞の「飢餓報道」をぐうぜん目にし、「おなかがすいているのに食べられない人が世界にいるなんて信じられない!」と衝撃を受けて以来、国際貢献活動に参加するために農学部に進学して情報を集め、ボランティアに応募して残念な結果になりつつも、就職した後にもういちど栄養士の資格を取るために短大に入り直して...と行動を続け、ついに、「日本国際ボランティアセンター(JVC)」の一員としてソマリアで活動することになった、という方です。

嶋さんは、現地の人々の「飢餓」のようすに触れつつ、「給食活動」や「農業(ほぼ開墾)」などのJVCの活動とともに、ご自身が中心的にかかわった「家庭菜園づくり」のプロジェクトについて、お話しくださいました。ラクダや羊、テントのような簡単なつくりの家など、私たちが普段接している文化とは異なるものごとに、生徒も興味津々。また、写真を通じてですが、何もなかった土地に、水路ができ、緑が増え...という変化を見ると、大げさですが「世界は人の手で変えられるんだ」と思えてきます。

お話の終盤では、ソマリアのこどもたちが笑っている素敵な写真をお示しくださったあとに、

「現地に行って3か月ほどで、時間や約束など、ものごとのとらえ方が違いすぎて、ソマリアの人が憎くなった時期がある。この笑顔も『自分たちのことをバカにしているのではないだろうか』『悪口を言っているのではないだろうか』と疑心暗鬼で受け止めるようになった。しかし、『私たちは本質的に違うんだ、同じだと思うからダメなんだ』といったんわかってしまえばすごく楽になったし、ソマリアの人たちがもっと好きになった。」

「『私たちは違うんだ』とわかるためには、『かかわる』ことが必要。だから、もっともっとみんな、人とかかわってくださいね」とお話しくださいました。

また、最後に嶋さんは、「アフリカの飢餓は、自分たちから遠い話ではなく、私たちの生活とつながっている。日本の食料自給率は37%だが、その日本に輸出する商品作物を作るために、アフリカの、それまで現地の人の食料を育てていた土地や労力が使われている。それはつまり、日本が搾取しているということだ。アフリカに行く、とか、そういう行動もいいが、それよりもまず『知ろう』としてほしい。」と強調されていました。

全体の場では、「価値観が違うソマリアの人を、どうやってプロジェクトに巻き込んだのですか」という質問や、「知らない世界のことを知って、有意義な時間でした」という感想が出ました。解散後にも何人かの生徒が、自分の探究の話や、ソマリアの内戦の話を、嶋さんに聞いており、非常に充実した時間を過ごすことができたようです。

嶋さん、ありがとうございました!!

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