7/26(月)の15:15からは、「平和と公正」をテーマに、シリア支援団体Piece of Syria代表の 中野 貴行さんに、オンラインでお話をしていただきました。中野さんは現在アフリカのケニアにいらっしゃるそうで、現地時間は朝の9時過ぎ(!)
なんだか不思議な感じです。
中野さんの講演は、
「平和ってどういう状態?どうやったら平和になるの?」
「なぜ『戦争』は起こる?」
という二つの問いかけから始まりました。
おお、スケールの大きい話だ...と思っていたら、「まあ、そんなことも考えつつ、まずは僕のことをお話しします」ということで、自己紹介タイム。
「僕は、楽しいことが大好きです!」とおっしゃる言葉そのままに、川でペットボトルのいかだに乗ったり、河原でコタツに入ったり、ご自身の結婚式でたくさんの友だちを集めてパーティーをしたり......という、中野さんの魅力的なお人柄が伝わるような写真が、次々に示されます。
そんな中野さんがJICAの青年海外協力隊としてシリアに行ったとき、そこは、歴史があり、季節があり、食事はおいしく、人はあたたかい「豊かな国」だったそうです。
特に、遠い国から来た中野さんへのもてなしは、日本の常識では考えられないほど。たとえば道でのどが渇き、ある一軒の家で水を求めたら、昼食が出てきておやつも用意してくれて、パジャマが差し出され、当然のように「え?泊まるんでしょ?」という感じになる、らしい。
(このあたり、中野さんの語り口が本当に面白くて、聞いているうちに「あれ?これシリア漫談かな?」と思うほどでした)
ところが2011年3月、戦争がはじまって様相は一変します。壊された建物の画像や、被害を受けた人についてのお話は、「豊かな国」であったシリアの話を聞いた後だからこそ、余計に、やるせなく感じます。
なぜ、戦争は起きたのか?
中野さんは、よく報道で言われているような「宗教の対立」や「政治の変化」を原因だと断じてしまうことに注意を呼びかけ、「戦争は嘘からはじまる」という、ショッキングなことばとともに、過去のプロパガンダの例などを示しつつ、「流れてくる情報を鵜吞みにすることなく、確かめるという姿勢を持ってください」ということを繰り返し強調されていました。
また、最後の「戦争はわかりやすい、平和はわかりにくく、イメージが共有しにくい」というお話も、非常に印象的でした。
お話のあと、生徒からは「シリアのことを知ることができた、とても印象的だった」という感想や、「戦争は儲かるというが、資本主義が続くことと平和とは両立しにくいのでは?」という質問が出ました。ちなみに、後者についての中野さんの答えは「非常に難しいが、『平和ビジネス』という形が考えられるかもしれない」とのこと。
非常にわかりやすく、また考えさせられるお話を聞くことができました。
中野さん、ありがとうございました!!