7/27 「探究Ⅰ」選択制講演会⑤〈教育〉

7/27(火)の13:30からは、「教育」をテーマに、河南高校の 堀野 亜季 先生(保健体育科、バスケ部顧問)をお迎えしてお話を聞きました。

堀野先生は、JICAの青年海外協力隊員として、モルディブで2年間、教育にかかわる活動をしていらっしゃいました。すでに大阪府の教員としてお勤めのときに、「教員として成長したい」、「いろいろな生徒のことをもっと理解できるかもしれない」という思いから、協力隊員に応募したそうです。

お話の初めに生徒たちが見たのは、現地の子どもたちが野球をしている動画。「ディベヒ語」という全く知らないことばでやりとりをしている内容は全く分かりませんでしたが、堀野先生の「何が起こっているかをよく見て、何を言っているか考えてみて」というご発言のあとでもう一度動画を見てみると、なるほど、「バット振って!」とか「走れ走れ!」と言っている(らしい)のがわかります。「ことばがわからなくても、伝わることはけっこう多い」というお話に、みんな納得。

参加者の中にはモルディブを知らない生徒もいたようですが、われわれ大人の中ではリゾート地として有名なモルディブ。先生の撮影された美しい海の写真に、心もときめきます。一方で「今日はこの話がメインではないので写真だけ...」とおっしゃって見せてくださった海岸のプラスチックごみの写真は、残念な光景でした。

そんなモルディブで堀野先生は、体育の授業をしたり、現地の先生に「授業法」を教えたり。現地では、ユニセフや赤十字から「支援物資」として運動器具(フラフープとかボールとか)がたくさん送られて来るのですが、それをどのように使うかを誰も知らないため、体育倉庫に放置されており、堀野先生はまずそれらの整理から手を付けます。

ご自身が経験した日本の体育の授業をもとに考えた、バレーボールやポートボールの授業の写真は、私たちにとってもなじみのある光景。動画の中の生徒が、先生の教えを受けて、リレーのパスのときに日本語で「ハイ!」と言っているようすは、なんだか不思議な親近感の湧くものでした。

堀野先生は最後に、「モルディブでは、何より『人と人とのつながり』を感じた。言葉も通じず文化も違う自分を気遣ってくれたり、言いたいことを理解しようとしてくれたりと、自分が大切にされているのをとても感じた。支援、ということで行ったが、支えてもらったのは私だった」「そういうことは現地に行かなくても、自分の生活の中で気づけることだ」とおっしゃっていました。また、「それでも、もし(たとえば海外に)チャレンジするチャンスがあれば、一気に飛び越えて変わることができるかもしれない」とも。

部活動が盛んな生野生にとって、「同じ地域の部活の先生」である堀野先生。だからでしょうか、参加者もリラックスしてお話を楽しんでいるようでした。お話の後には、挙手したり指名に応えたりしながら「体育のほかに何か教えていたことはありますか?」「いちばん好きなモルディブ文化は何ですか?」「もっとこういう支援が必要だ、ということはありますか?」などの質問も出て、特に最後の質問について堀野先生が「物資より人の支援だと思います」とおっしゃったことは、印象的でした。

本当に、楽しく興味深いお話が聞けた一時間でした。堀野先生、ありがとうございました!!

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