7/28 「探究Ⅰ」選択制講演会⑥〈健康と福祉〉

7/28(水)の11:10からは、「健康と福祉」をテーマに、以前モンゴルで作業療法士をなさっていた、清水 由歌 さんのお話を聞きました。

清水さんは、2012年から2年間、JICAの青年海外協力隊員として、現地の国立病院で勤務されたそうです。

講演は、「作業療法士=リハビリをする人」というお話から始まり、続くモンゴルの紹介では、一面の氷原やゲル(テント)が並ぶ光景、ウランバートルの都会的なようすの写真を見せていただきました。

モンゴルの医療事情は、決して良いとは言えません。難しい手術は首都でしかできず、入院は10日間に限られ、介助は家族が行うことになっているそう。また、中心的な医療は「民間療法」。清水さんが派遣されたころは、ちょうどモンゴル初の理学療法士さんが働き始めたばかりで、「リハビリ」はほとんどなかったそうです。

清水さんは、現地で出会った「足が不自由で学校に行けない、おしゃべりが大好きな」男の子の事例を挙げ、「どのような支援があればよいと思いますか?」と問いを投げかけます。出てきたアイデアを、これも清水さんの呼びかけで、「お金/時間」が「かかるもの/かからないもの」の4つに分類してみる生徒たち。それぞれ「道を作る」「オンライン授業をする」などのアイデアを出したり、「......でも、授業が受けたいわけじゃなくて、学校に行きたいねんなー」など、考えを深めたりしていました。2つの班がアイデアを発表したあと、清水さんは、「今見たように、人を助けるということには、いろいろな軸がある。政府や企業が時間とお金をかけて行うこともあるし、自分がすぐにできることもあるから、いろいろ考えてみるとよいと思います」とおっしゃっていました。

その後、「リハビリ」の習慣がほとんどなかったモンゴルで、実際に清水さんがどのような活動をなさっていたかというお話を聞きました。

清水さんは、患者さんのリハビリをしながら、現地スタッフを指導し、必要なもの(記録用紙や食器など)を作り、病院の外でも勉強会をし......と大活躍。2年後に帰国するときは、現地スタッフを中心に「リハビリ」が行われるようになったそうです。お話を聞いていると、本当に、一人の「ひと」が、その国の医療を変えたんだ! ということが分かり、心を打たれたような、何か自分もやりたいような、そんな気持ちになりました。

最後の生徒からの質問も、「自分も海外協力隊に行きたいと思っているが、今何をしたらよいと思いますか?」ということや、「お話の中で、モンゴルでは生活習慣病や肥満が多いと言っていましたが、リハビリのほかに、生活習慣にかかわる指導のようなことはされていたのですか?」など、非常に具体的で、それぞれの問題意識を反映したものであったように思います。

本当に気づきや考えの深まりがあった時間でした。

清水さん、ありがとうございました!!

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