7/29(木)の11:10からは、「水とトイレ」をテーマに、西アフリカのベナンで活動をなさっていた 福井 沙織 さんのお話を聞きました。
福井さんが暮らしていたベナン郊外の農村では、生活用水は井戸水、雨水をためて洗濯、シャワーはたらいの水を浴び、トイレは普通の家にはない、というような環境が当たり前だったそうです。
福井さんはお話の中で、「安全な水にアクセスできない人は、地球に何人くらいいるでしょう」と問いかけます。答えは22億人。世界の人口が約78億人ですから、これは世界の3人にひとり(弱)くらいの数です。また、手洗いの施設がない環境にいるのは約30億人、安全に管理されたトイレのない環境にいるのは、なんと42億人だそう。
実際、福井さんが暮らしていたベナンの村では、家の外に排泄用の穴が掘られ、周りを板で簡単に囲ってあるだけのトイレが普通でした。
福井さんは、そのような環境で、「水」の問題に取り組みます。村の壊れたポンプ(市役所が設置するが、壊れたときは村の負担なので、貧しい村は直せない)を使えるようにするための調査や、「テッピータップ」と呼ばれる簡易手洗い器の製作や設置など、いろいろな活動を現地の人と行う中で、福井さんにとって印象的だったのは、コットン(綿)を使って現地の子どもたちに『手洗い』の大切さを教える授業をしたことだそうです。両手でコットンを挟むように手を合わせて擦り合わせると、手の汚れが白いコットンについて見えやすく、手洗いの大切さが伝えやすかった、ということでした。
現地の子どもたちも、すっかり福井さんを「手洗いの人」だと認識し、福井さんの姿を見ると手洗いのジェスチャーをしてくれるまでになったそうです。
「自分の授業によって、手洗いの習慣ができつつあるのかな? と感じました。特に、自分が帰国した後にコロナが流行したこともあり、やってよかったと思います。」という福井さんのお話を、生徒も真剣な顔で聞いていました。
お話の後には、「トイレットペーパーはどうしているんですか?」「現地ではどのような仕事があるんですか?」「コットンの授業のとき、子どもたちはどのようなリアクションだったんですか?」などの、バラエティー豊かな質問が出ました。
最後に、校長先生のお礼のコメントとともに、みんなで拍手し、感謝を伝えます。
全体解散後も何人もの生徒が個別に福井さんに質問しており、福井さんは一つひとつ丁寧に答えてくださいました。
非常に興味深いお話をいただき、楽しい時間となりました。
福井さん、ありがとうございました!!!