7/30 「探究Ⅰ」選択制講演会⑧〈ジェンダー〉

1年生を対象に開催している「探究Ⅰ」の選択制講演会も、いよいよ最終日。

7/30(金)の11:10からは、「ジェンダー」をテーマに、ガーナで活動されていた 相川 香菜 さんにお越しいただきました。

相川さんは、なんと輸入販売会社の代表取締役(!)をなさっています。アフリカからシアバターやハーブティーなどを輸入し、現地の女性たちが労働収入を得られるようなしくみをつくっていらっしゃるそう。

そんな相川さんの自己紹介は、中学生のころから抱いていた、ご自身の外国へのあこがれや、大学時代の留学経験など、生徒が自分の近い将来を考えるときのヒントになりそうなことが多く、聞き手が「自分もがんばろう」と思えるようなものでした。

大学卒業後、相川さんは「もっと海外にかかわりたい!ガーナについて知りたい!」という思いからJICAの青年海外協力隊に応募し、現地で2年間、小学校で授業をしたり、地域の女性グループにかかわったりされていたそうです。

現地の家や食べ物、衣装など、ガーナのいろいろな文化のお話で、なんとなくアフリカが身近になった気がします。特に、キャッサバなどをこねて作った、日本の「お餅」のような食べ物を作るときの動画は、「餅つき」そのものでした。ちなみに、下のお写真からも伝わるかと思いますが、相川さんは「身につけるのも国際交流の方法ですよ」ということで、現地の衣装を着てくださっています!

また、相川さんは、お話の終盤で、就学率や識字率についても教えてくださいました。現地の学校教育は日本と似ているのですが、日本でいう「共通テスト」のような、大学入試に当たる試験は国内だけでなく近隣の国と合同で行われるそう。また、小学校初年度の就学率は98%とかなり高いのですが、卒業時には60%台になっているそう。相川さんは「農村の場合、男の子は働き手になるので、家の仕事を手伝って学校に来なくなることが多い。だから、日本の小学校を参考にして100マス計算をしたり、賞状やメダルを作ったりして、学校に足が向くようにと工夫した」とおっしゃっていました。

一方で、特に年配の方のなかでは「女性は家の中で家事をして、男性が商売などの仕事をする」という価値観が根強いそうで、たとえばスマホを家族の中で父親だけ持っていたり、取引に不可欠な英語を話せるのがほとんど男性だけだったりというところに「ジェンダーギャップ」を感じたとおっしゃっていました。相川さん自身も、料理をした際に、なかなか現地の女性のようにうまくいかず、冗談まじりに「女性なのにできないの?お嫁さんに行けないよー」と言われたといいます。

最後の、校長先生からのコメントにも「今は想像しにくいかもしれないが、自分より上の世代では、日本でも、『男の子は大学に、女の子は高校まで、もしくは短大に』という価値観が残っていた。今でも、企業の管理職に男性が多いなど、ジェンダーギャップは日本でも問題になっている。好きなことをすればよいと思うが、社会の仕組みでやりたいことができないというのは違うと思うので、みんなの世代ではもっとこの部分が改善していることを願う」という話があり、まさに「ジェンダー」について、今までより広く考えられた時間でした。

講演後、相川さんが持ってきてくださったガーナのお金を見たり、質問をしたりする生徒もいて、相川さんはひとりひとり丁寧に対応してくださいました。

相川さん、ありがとうございました!!

IMG_5304.jpg

IMG_5306.jpg

IMG_5308.jpg

カレンダー

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30