7/13 探究Ⅰ選択制講演会④「教育」

みなさんはJICAという団体が行っている「青年海外協力隊」の事業を知っていますか?  発展途上国に協力隊員を派遣し、その「協力隊員」が、村に住み込んで地域の方と交流しながら、自分の得意分野や専門分野で貢献する、というものです。堀野先生は、かつて協力隊員として、モルディブの小さな島に行き、「スポーツ」をとおした支援活動をされていました。

堀野先生が生徒にまず示して下さったのは、先生が学年主任をなさっている河南高校3年生の学年通信を、この講演のためにアレンジしてくださったもの。「Enmen ufaa kohdee(エンメ ウファー コッディー)」=「みんなHAPPY!」というタイトルの通信には、このタイトルに込められた思いや、モルディブに派遣されたばかりの日々で堀野先生が発見されたことが書いてあります。

特に印象に残ったのは、海外経験を通して、ある外国人の生徒についての認識が変わった、というお話です。前任校では外国人の生徒を担当されていたこともある堀野先生。休み時間にずっとイヤホンをしていたその生徒について、堀野先生は、「もっとみんなと日本語でコミュニケーションを取ればいいのに」と疑問に思っていました。しかし、ご自身も、モルディブに行き、「ディベヒ語」という全く知らない言語に囲まれる毎日の中で、頭がうまく働かず、「ちょっとこの言葉が聞こえない環境で休憩したい!」と強く思ったそうです。そのときやっと、「あの生徒も、きっとこういう状態だったんだ」と気づいたということです。

また、途上国への支援について、堀野先生は、モルディブの学校の体育倉庫に山積みにされた運動器具の写真を示しながら「先進国はモノを送ってくれるけれど、それをどのように体育教育に生かすかの知識がなく、せっかくの支援が使われていない状態だった」「モノだけじゃなく、人の支援が重要だと思った」と語ります。現地では日本のように、「発達段階に応じた体育教育」「体系的な体育教育」という考え方があまりなく、堀野先生はご自身も体育の授業を担当しながら、現地の先生が授業を行うサポートをされたそうです。

堀野先生は最後に、「支援のつもりで行ったけど、ほんとうにみんな優しくて、助けられていたのは自分だった」、「国とか言語は違うけど、スポーツをして楽しいと思ったり、困った人に声をかけようとしたりするところは同じで、『ああ、同じだ』と思う場面がいっぱいあった」とおっしゃいました。

終了後には、多くの生徒が堀野先生に個別に質問に行っており、この日も非常に有意義な講演となりました。

堀野先生、ありがとうございました!!

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