冬休みの間に教室の南側にうっそうと茂っていたメタセコイアを剪定し、明るい光が教室に注がれるようになりました。冬休みが終わり、1月からの授業再開です。そこで朝から全校集会を開きました。校長先生の講話の後、ワープロ検定の申込みと本日行われるクリーンアップ作戦(校内と校外の清掃)の説明がありました。
校長先生からの講話内容は以下の通りです。
新年明けましておめでとうございます。 素晴らしい平成29年(2017年)がスタートしました。
皆さんはどんな冬休みを過ごしましたか?
年が明けて、新たな誓いを立てた人もいることでしょう。私自身はこの正月でお腹回りのみが成長してしまいました。そこで、毎晩腹筋と腕立て伏せをするぞと決め、3日がたちました。三日坊主にならないように頑張ろうと思っています。
これまで私は皆さんに「挨拶」「感謝」「大切」「テスト」について話をしてきました。また、冬休み前には掃除をしてくれている3年生の男子生徒のことを伝えました。今回は皆さんに「言葉」を送ります。
皆さんが心を動かした言葉はなんですか。それは誰に言われましたか。 中高生を対象に、心に響いた「言葉」とそのエピソードを募った「私の折々の言葉コンテスト2016」に2万7242点の応募があったそうです。そのなかで多かったのは、誰だと思いますか?
昨年に続き元テニスプレーヤーの松岡修造さんが1位でした。 「反省はしても、後悔はするな!」 「真剣に考えても、深刻になるな!」 「勝ち負けなんか、ちっぽけなこと。大事なことは、本気だったかどうかだ!」 「崖っぷちありがとう!最高だ!」など、大人気の日めくりカレンダーに収録された言葉が多かったそうです。
2位と3位は誰だと思いますか?
3位は大リーグのイチロー選手です。昨年に達成した日米通算4257安打への道のりを 「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道」と表現し、夢を描く中高生の胸を躍らせたようです。
では2位は? これは私には意外でした。
「天才とは1%のひらめきと99%の努力」と言った発明王と言えば・・
そうトーマス・エジソンだったのです。気になるのでエジソンについて調べてみました。白熱電球、現在のオーディオの先駆となる「蓄音機」やアルカリ蓄電池や人工ゴム、これらがエジソンの発明したものです。
エジソンが生涯のうち、最も手間と費用をかけたのは自動車用のアルカリ蓄電池で、完成させるまでなんと5万回もの失敗を繰り返しています。実はエジソンは「発明王」と言われていますが、別名「失敗王」とも言われています。
しかしエジソンは「私は失敗したことがない」と言うのです。そして「ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ」と言っています。うまく行かない方法、これって失敗ですよね。負け惜しみも聞こえますね。いや違う、失敗をポジティブに考えているのでしょう。
また「成功できる人っていうのは、『思い通りに行かない事は当たり前』という前提を持って挑戦している」という格言もあります。つまり成功には失敗が前提なのです。
エジソンに言わせれば、失敗の連続があって成功があるということなのでしょう。そう考えると、失敗もなんだかいいことに思えてきます。
昨年ノーベル賞を受賞した大隅先生も「研究は、失敗や『あれ?』と思うことからスタートする」と述べ、失敗を認める雰囲気が大切だとも訴えていました。
そう言えば、教育現場でも失敗を許さない空気があります。生徒たちには成功体験させて自己肯定感を高めよう、だから生徒には失敗させてはならないと先生たちは思っているはずです。そのためにチャレンジを避ける傾向も感じられます。実は失敗は次のチャレンジのスタートとなるのです。そうです。皆さんも失敗を恐れずにいろいろなことにチャレンジしてください。それが次の成功につながるはずです。
結論が出ました。私が皆さんに贈る言葉は「失敗をしてもいいよ」です。 これは私自身にも送ります。腹筋と腕立て伏せが三日坊主という失敗に終わってもいいのです。そう考えると気分はずいぶん楽になります。皆さんも友だちや家族に言ってあげてください「失敗してもいいよ」って。その言葉で言ったあなたも、言われたその人も気分が楽になり、努力しやすくなります。
本日から授業の再開です。卒業年次は、教室にカウントダウン日捲りがありますが、授業日数は18日(テストを入れると登校日は26日)しかありません。1・2年生もそれに約10日を足しただけしか授業日はありません。短い期間ですが、「失敗してもいいよ」を心にチャレンジしてください。