0324 令和6年度3学期終業式

3学期の終業式はオンラインで行いました。
3月に入り、学校は入試の業務に入っていましたので、在校生のみんなとは久しぶりの対面です。
52期生320名を迎える話、2項対立になりがちな昨今の世の中に思うことなどを、在校生のみんなにお話ししました。

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 おはようございます。令和6年度が間もなく終わろうとしています。皆さんにとってどんな1年でしたでしょうか。

 まず今日は皆さんに報告があります。学校は3月に入り入試のための業務をしていましたが、無事に52期生320名が決定しました。今年の吹田東の倍率は1.3倍を超える高さで、中学生の皆からは「知り合いが吹田東に楽しそうに通っている」とか「学校見学会に来た際に先輩たちの雰囲気が良かった」等の声が聞かれました。皆さんの姿が、中学生にとって魅力的であったことはとても嬉しいことで、改めて皆さんを誇りに思いました。

 さて、今日は皆さんにある絵本の話をしたいと思います。皆さんは「桃太郎」のお話を知っていると思いますが、今日紹介するのは「ふたりのももたろう」というお話です。この絵本、表表紙から読むと、私たちが小さなころから良く知っている「おにたいじのももたろう」のお話ですが、裏表紙から読むお話は「おにのこももたろう」。こちらは、流れてきた大きな桃をおばあさんが持ち帰った後に、もう1つ桃が流れてきて、誰にも拾われずに鬼ヶ島に流れ着き、鬼が育ててくれたというお話なのです。
 
 一つ目の桃から生まれた、一人目の桃太郎は、おじいさんおばあさんに育てられて、お供の動物たちを連れて鬼を退治しにいきますが、その鬼は二つ目の桃から生まれた二人目の桃太郎にとっては、大事な育ての親である鬼だったのです。このように世界には、見る視点が変わると全く違う物語になることがたくさんあります。そもそも、童話の「桃太郎」で描かれている「鬼」は、吉備の国(今の岡山県)に百済から来た王子だったという説もあります。と考えるとき、「鬼」という表現は誰からの視点なのでしょうか。

 新型コロナ以降、経済格差が浮き彫りになり、意見の異なる人たちが時に攻撃的に主張し合うばかりで、分断が深まっています。大変に残念で危険なことです。この時代に必要なのは【想像力】なのだと感じます。相手の立場に本気で立ってみることです。

 心理学の療法には【エンプティチェア】と言って、誰も座っていない空の椅子に嫌な相手が座っているとみなし、自分がそこに座って見て、その人の立場で話してみるという療法があります。そうすると、絶対にわからないと思っていた相手の考えや立場が分かることがあるのです。

 ちなみに【エンプティチェア】には、自分自身を空の椅子に座らせて、自分の悩みや本心と向き合うという方法もあります。気になる人は調べてみてください。

 さて春休みです。学校は平日の8時半~17時は電話が繋がりますので、何か困ったことがあれば連絡をしてきてください。充実した春休みを送ってくれることを祈って、私からの話を終わります。

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