宿泊野外行事の活動の中でヤジヤーガマの平和学習に同行しました。一番最後をようよう歩いていると、同行してくださった現地で研究をされている方が、「鍾乳洞は気の遠くなる時間を経て今の姿になっているんですよ。」というお話をしてくださいました。鍾乳洞そのものの長い年月を経て表してくれているその姿、そして研究に時間を費やして、その中身を嬉々としてお伝えいただく姿が人や自然が積み重ねてきた時間の重みに思いを馳せる機会を与えてくれました。ほんのひと月前の話ですが、ずいぶん時が経った気がします。
7月9日(土)は学問発見講座でした。14講座に約500人の生徒が参加し、各分野で活躍されている先生方からご講義をいただきました。先生方が時間をかけてずっと研究され、学ばれてきたことを惜しげもなくお伝えくださる姿は、私にとっては神々しく映り、ただひたすら感謝の念を心の中で抱きながら、教室をまわり、ご講義をほんの少しずつですが拝聴いたしました。どの講義も魅力にあふれ、教室でとどまりたい思いを振り切りながら移動するのは大変でしたが、訪れるすべての教室で、そこにしかない面白さがあり、生徒の皆さんが前へのめっていく姿に頼もしさを感じました。
ご講義を終えられ、控室にお戻りになってから、数名の先生が、もう少し違う題材のほうが生徒の皆さんの心に届きやすかったかもしれないと振り返られておられました。そのご様子に触れ、今日のこの日のために、自らが心血を注いで研究されたことを、少しでも間口を広く、しかし専門的な分野の入り口に立ってもらえるよう取捨選択し、資料をご提示されていたのだというところに思いが至りました。かけていただいたお時間に感謝申し上げます。ありがとうございます。
ご講義が終わられた後も、質問の時間を取っていただき、ほぼ同じくらいの時間を費やしてくださった先生、控室まで質問をしに来た2年生に満面の笑みで応対してくださった先生、伝えたい情熱と新しいことが学べた喜びが連綿とつながること、学問や教育という営みが人物を生み出し、世の中を創り出していく。本日いただいたお時間とお力が参加者の心の中に染み渡り、次の世代へと継承していってくれることを期待したいと思います。
部屋を出られる際に、午後から名古屋でお仕事があると仰っていた先生もいらっしゃいました。多くの先生方が忙しい中、土曜日の貴重な時間を割いていただいたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。