世界に一つだけの名

2001年3月アリススプリングス内の複数の小学校での最後の授業を控え、帰国まで残す日々が数えられるほどになっていた。数字ダンスやよべみの歌、数々の折り紙。日本語を通して、言葉を文字を愛でてくれる子供たちがたくさんいた。各小学校で最後の授業を終えたとき、生徒たちは自分の名前に漢字をつけてくれとリクエストした。一人ひとりに、音に合わせて漢字を考えた。意味を伝えるため今を、未来を充実したものにしたいという願いを込めて一人ひとりの名前に漢字をあてた。

20年の月日が流れ、ほっとスクエアーのイベントで神戸大学に在籍する留学生をお招きし、交流イベントを行った。オープニングで複数の留学生と本校生徒がグループを移動し、自己紹介やスイーツについて言葉を交わしながらアイスブレイクの時間を楽しみました。次の文化交流では書道を通じて筆をリレーしながら、「夢」、「愛」、「茨木」の文字を綴り、それぞれのグループの味のある作品が示されました。それぞれがキラキラと輝き、眩しい、まぶしすぎる作品たちでした。そして最後に、それぞれの留学生に世界で一つだけの漢字の名前をプレゼントしました。この企画を考え、そして時間の流れを見ながら、最大限に参加者の心を満たすよう実施した係の皆さんの心遣いは、参加したすべての人の心に届きました。世界に一つだけなのは留学生の漢字の名前だけではありません。今日参加したすべての人、もちろん留学生のみなさんも、関わった先生方、もちろん私もこのコロナ禍での一生忘れられない体験となった世界で一つだけの体験です。きっと心のどこかで自分の背中をそっと押してくれたり、下支ええしてくれる「音」となるでしょう。心が下支えしてくれる音、つまり、「意」です。それは「志」と結びついて、皆さんのこれからを導いてくれるものとなると思います。

この企画に携わった生徒の皆さん、お疲れ様、そして参加した皆さんは人と人が対面して話をするその大切さを改めて教えてくれました。皆さんの一人ひとりの笑顔がこのイベントを盛会、そして実施したことを正解にしてくれました。ありがとう。土曜日の午後にもかかわらずご助力いただいた先生がたありがとうございました。そしてこのご縁をいただくにあたって尽力いただいた関係者の皆さま、そして今日、力を尽くしてくれた卒業生、74期生のお二人ありがとうございました。

Squareは2乗の意味を持つ。今日携わっていただいた方の数の2乗分の幸せが皆さんに舞い込みますように!

(全員の名前を掲載できず申し訳ありません。)