心満たされる。言葉届かない!

友人二人が癌を患ったという話を年度初めに立て続けに聞いた。あぁ、もうそんな年になったのだ。一昨年のどのポリープを取った時からいつ何があってもおかしくないとは思っていたが身近な話はやはり心に響く。検診の結果が帰ってきた。すこぶる悪い。すべて悪い。次から次へと悪い数字が並ぶ。受診、投薬、検査、内視鏡、エコー、血圧計の購入。食生活と睡眠の改善をかかりつけの医師に強く進められる(人はそれを指導と呼ぶかもしれない)。

78期生3年生の生活科学の授業で作ったお弁当をいただいた。あまず。甘いのではない。酸っぱいのでもない。三色野菜の甘酢。これ絶妙の味付けだ。口がさっぱりした中で、和え。美しい言葉だ。ほうれん草の胡麻和え。うまくマッチする。和える。美しい。胡麻。魔法の呪文で使われる。胡麻。いい風味を作りだす。醤油鶏にも添えられている。醤油。日本の食文化に欠かせないこの調味料と胡麻のハーモニーがピカ一だ。味が曲を奏でだしたので、いったん落ち着くために押し寿司をいただく。今、話題のお米(ごはん)にほっとしたのもつかの間、シーチキンがベースとなって主張をするが野菜の中のスマートガイ、アスパラガスが触感を豊かにした上に、もうひとついかがですかと問いかけてくる。連続で食べるわけにはいかない。ハンバーグをいただかなければ。油断大敵。大葉。この食べている最中から鼻筋を抜けていくさわやかさは何だ。醤油鶏のベッドとなっていたレタスをいただき、デザートのレモンに心を売り渡したポテトをいただき、虚脱するほど心を奪われる。一品食べるたびに幸せに満たされた。作っているときの様子や交わされたであろう言葉に思いを馳せながらさらに心が満ち足りた。体もきっとよくなる。心と体は連動だ。体にいいものを食べて心にいいものを感じられたらきっと健康になる。ありがとう。この気持ちを表現するには私の言葉は物足りない。ありがとう。

                

78期生ががんばるフェスタで撮った時以来の校長室集合写真→