2年生の化学の実験の授業。担当の先生からは冒頭5分弱、手順と安全な実験をするためにという確認がなされただけでスタートした。実験の目途等は事前の授業の中で確認がなされており、知識に関することはすでに板書が済んでいる。生徒たちは自分の中にある知識をもとにして実験を進め、鉄と水溶液の反応による結果をプリントに記していく。色がわかるように一枚の紙に反応の結果が描かれていく。水溶液そのものの多様性、そして、反応によって生まれてくる更なる多様性。
答えが、合っているかどうかがすべてならどうだったんだろう。色の様子をそれぞれが表現している中での一つの象徴がタイトルの駐車場の水たまりの色だ。常々申し上げているが、機械的に暗記をする場合、左脳に収められる。短期記憶だ。ストックするために使われる。感情が動くと右脳に移され、長期記憶へと変わる。先生が明示されていないが、生徒たちが自分の頭で考え、正解が一色ではないことに面白さを感じるよう丁寧に作りこんでおられるように感じた。水溶性、その反応、色が語りかけてくる描かれた一枚の紙。すべてに多様性がある。実験を拝見し、生徒一人ひとりの様子を見ながらそれぞれみんな個性的、実験への距離感もそれぞれ違う。それぞれの興味に応じて学びも違ってくる。だから反応も変わってくる。人も多様だ。奥が深い。
氷が溶ける。熱伝導性の高さに新鮮な驚きと喜びを感じた。同時に、小学生のように目をキラキラさせて見つめるみんなもまぶしかった。そして、校長先生、「氷やります?」とカジュアルに声をかけてくれたさりげないやさしさにも心溶けたなぁ。
スプリングセミナー、オータムセミナーでお世話になっている石濱、石野両先生が「茨高の理科の授業が大きかったんですよ」と講演の中で仰っていたことの真の意味の入り口に立てたような気がします。
答え 応え 手応え