一昨日のサイエンスデイ。全体会の代表者発表の講評の中で、大阪国際がんセンターの松浦成昭総長より60本それぞれの研究に対する取り組みの質の高さや発表のレベルが年々上がっていることについて参加者ひとり一人に対する暖かいお言葉をいただきました。その中で、今後、世の中の役に立つことや社会へ貢献することを意識して科学と向き合うことの大切さについて言及され、そのうえで、おもしろいと思うことを出発点としてどんなことにも興味を持って眺め、問いかけて行くことの意義について力を込めて話をされていらっしゃったことが大きく印象に残りました。
昨年、12月24日、79期生の実行委員を中心に行ったがん講座。その時にご講義いただいたのが前述の松浦総長でした。「事前から、あるいは日頃から考えていないとできない質問が次から次へとなされ、ついつい時間をかけてのお答えとなった。」昨年、質疑応答を終えられた時のお言葉を再現するかのような今年度の「がん講演会」でした。80期生、6名の実行委員会により「がんについて正しく理解するとともに、がんに関する社会的な課題に気づき、支えあえる社会の実現に向けた具体的な解決策を考える」が目標として掲げられ、約2か月の時間を費やし、日本生命のスタッフの方々とやり取りをしながら作り上げてきました。東京大学医学部付属病院放射線治療専門医、南谷優成先生を講師としてお迎えし、京都府立医科大学、東京大学の医学部生、そしてがんサバイバーの方々のお力添えで、ご講義、グループディスカッションなど様々な内容を盛り込んだ充実した会となりました。

12月19日に事前学習に参加した10数名の参加者が果たした役割も大変大きく、総勢30名を超える茨高生たちは、がんと告知された人にどのようなサポートができるのか、自身が内閣総理大臣ならどのような政策を打つかなどすぐさま答えが出ないような内容に対して議論を深めました。自由闊達な意見交換と具体的な提案が次から次へと示され、主催された日本生命の方々も驚かれていたようです。

興味を持ったことに対して問いを立て、具体的な働きかけをすることで世の中を変えていく。その第一歩をまさしく踏み出す瞬間を目の当たりにする限りなく充実した時間でした。全体を回す委員の人たち、様子を見ながら丁寧に声をかけたり、書記の役割を果たす人。各班発表の際に、リーダーとフォロワーの役割を適宜、さまざまな形で果たしていたことも強く印象に残っています。一枚の案内のパンフレットから全く違う人生へと歩を進めたこの経験が今後もいろんな場面で生きてきますように!
実行委員さん、参加者のみなさん、上記お名前を上げきれなかった方々も含めて、携わっていただいたすべてのみなさんお力添えありがとうございました。そして係として力を添えてくださった先生方、本当にありがとうございました。