ガンバレ!市岡生№6―2014年度入試状況

 2014年度の入試状況と今後の展望について学習する機会があったので、その状況をお知らせしたいと思います。

[1]全体の状況について

 長い目で見ると1992年度に受験人口がピークを迎えており、現在の受験人口はピーク時の約6割に減少しています。ですから、全体的な流れとしては競争緩和の方向で進んでいます。大学・短大の総志願者数÷入学定員=志願倍率は、1.1倍(ピーク時は1.8倍)まで下がっています。

 さらに近年受験動向を表す言葉として、4つあります。「地元志向」「安全志向」「資格志向」「理高文低」です。

①「地元志向」について

2005年度から2010年度にかけて「大学入学者に占める地元高校出身生徒の割合」が上昇し、約42%前後で現在は推移しています。この傾向は、大阪では益々強くその結果、大阪市立大学、大阪府立大学の難化傾向に拍車をかけているということです。この点については市岡生の受験に大きくかかわってくるところなので後で詳しく述べます。

②「安全志向」について

難関国公立大学では弱気な出願傾向が見られます。それは、学習指導要領の改訂で「浪人回避」の影響が大きいと思われます。今後、新学習指導要領で学んだ生徒が受験することになるので、この動向が続くかどうかは注目しなければなりません。

③「資格志向」「理高文低」について

「医」「歯」「薬」系統の受験者が増加していることからも、「就職に有利」な学部に人気が集まってきている傾向が顕著です。志願者数の前年度比を見ますと、理系系統は、理学系統以外は、増加しています。一方文系系統は、前年度比は減少傾向です。ただ、グローバル社会の影響で語学関係・国際学関係の私学は大きな伸びを示しています。

[2]国公立大学

 国公立大学の志願者数は3年連続減少しています。詳しく言うと、国立大学は対前年度比98で減少、公立大学は対前年度比102となり、ここでも「地元志向」という傾向が出ていると思います。注目すべきは、後期日程の欠席率が急上昇しているということです。欠席率は55%まで達していますので、大学や学部によればかなり易化傾向だと言えます。ただし、この間、後期入試を廃止している難関国公立があります。たとえば、工学部系統では、07年に京都大学が廃止、12年に阪大工、13年に阪大理・基礎工が廃止となっていますので、神戸大工学部の後期日程は、かなり難化しているといえます。ベネッセの追跡調査によりますと、合格者の大多数が京大・東大前期受験者で占められ、阪大でも前期受験者の合格者はわずかであるというデータがあります。

[3]私立大学について

 私立大学で顕著なのは、近畿大学の伸びです。ネット出願を導入した結果、全国で最も志願者数の多い大学となり人気も急上昇しています。見落としてはならないのは、関西の難関私立大学も含めた入学辞退率は、約75%ですので、模擬試験の結果がD判定でも諦めずに第一志望にチャレンジすることが重要です。

[4]全国大学就職率ランキング

 東洋経済のHPに文理別、地域別「就職に強い大学・学部」はどこかという特集が2014年3月17日に掲載されています。アドレスは以下の通りです。参考にしてください。

 http://toyokeizai.net/articles/-/26881

さて、この特集で本校に関係する部分を述べたいと思います。

①文系ですが、大量退職後の採用により教育系の就職率が高いこと。法学部・経済学部は苦戦傾向にあること。その中でも地方の国公立大学の健闘が目立つこと。

②理系ですが、理工系の健闘が目立つこと。ここでも地方の国公立大学の健闘が目立つこと。具体的には岡山大学、長岡技術科学大学、富山県立大学、兵庫県立大学、福井大学など。

③近畿圏では、和歌山大学の観光学部が就職率トップであること。

などです。

[5]市岡生へのアドバイス

 さて、このような状況を踏まえて私からアドバイスをしたいと思います。

第一は、受験生全員に対して。絶対第一志望を諦めるなということです。当たり前のことですが、口が酸っぱくなるまで言い続けたいと思います。予備校や塾がなんと言おうが、最後の最後まで目指すべきです。現役生の実力が表面に出てくるのは、早くて12月です。そこまで模試の結果でEがついて当たり前なのです。この段階でDがつけばかなり可能性が高いと思ったほうがいい。Cがついていれば志望校を引き上げるべきです。要は、CとかDとかEとかに惑わされることなく、自分の強みと弱みを模試の結果で見るべきです。どこを強化したらEがDになるのか、DがCになるのか、自分の弱みを具体的に知ることが大切です。諦めなければ合格の可能性はあります。しかし、諦めた者は可能性はゼロです。

第二に、地元の国公立大学を目指している生徒に対して。前期入試は第一志望で行くべきです。ただし、阪大・市大と神戸大ではセンターと二次の割合が正反対です。阪大・市大は二次重視なので模擬試験での偏差値に注目しましょう。阪大工学部では偏差値65以上あれば合格の可能性がおおきくなります。市大工学部では55以上で合格の可能性が大きくなります。逆に神戸大経営では、センター試験8割以上の得点者の合格の可能性が高くなります。この点を考えてセンター重視なのか二次での逆転が可能なのかはよく調べる必要があります。

第三に、現在国公立を目指している人はもちろんのこと、私立大学を目指している人たちも、国公立大学を目指しましょう。なぜか?やはりセンター5教科7科目をしっかり勉強した者は強い!ということです。先ほど紹介した就職率ランキングでも地方の国公立は素晴らしい成績を上げています。それは、大学独自の努力もかなりあるのも事実ですが、やはり私学3教科型の生徒と最後まで5教科7科目で頑張った生徒の「地頭力」の差です。地元の難関私立大学を目指す力がある者は、必ずと言っていいほど国公立大学に合格する力があります。薬学系・理工系・教育系を目指す生徒は、特に地方も視野に国公立を目指すべきです。大学卒業後も考えて「地頭力」を鍛えましょう。

第四に、後期入試まで諦めるなということ。データからも明らかなように後期の辞退率は50%以上なのです。これは、倍率が6倍だったものが実質倍率3倍になるということです。倍率が半分以下に減少するということです。大学や学部よっては実質倍率1倍のところもあると聞きます。現役で国公立大学合格を目指す生徒は、前期は第一志望!(これは絶対譲ってはダメ)。後期は地方の国公立大学を視野に入れましょう。今から地方の国公立大学で自分の合った大学・学部があるかを探すのが大事だと思います。(浪人覚悟で第一志望という生徒は、後期も同一大学勝負は当然です。)

最後にもう一度言います! 諦めるな! 最後まで粘れ!(3月後期入試までという意味)  粘った者は勝利を掴む! 諦めた者に勝利は訪れない!

 

 

投稿者
吉田美千子
コメント

先日、三者懇談で学校に伺いました。市岡高校は選択科目制なのが、受験に対しても良いと感じました。帰り、野球部の生徒さん達が、少し離れた場所であったにもかかわらず、とても元気よく挨拶をして下さり、爽やかな気持ちになりました。


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