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二年生保護者向け進路説明会―求めらえる人材について

 2月7日(土)、二年生の保護者を対象にした進路説明会が開催されました。今回は二部構成の開催です。一部は、リクルート進学事1423354361268.jpg業部 鳥居 佳子氏の入試制度全般と国公立大学の魅力について。二部は次年度より開始される大学受験講座の説明です。会場には、100名を超える保護者の方が参加されました。

   鳥居氏の話は、現在求められる人材の話から始まりました。キーワードは、グローバル化。これからの若者は、世界を相手に仕事をしなければならないということ。そして、グローバル化のなかで求められる資質は、主体的に働く力ということ。その中で、経済産業省がとりまとめた「社会人基礎力」が示されました。この「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」は平成18年2月にまとめられたもので、私も次世代のリーダーはどのような資質が必要なのかを考えるときに参考にしています。http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/kisoryoku_image.pdf

にそのイメージ図が掲載されていますので一度見られてはどうでしょうか?2010年前後に経済産業省は、「社会に求めらる求められる人材」という問題意識で様々な提案をしています。社会人基礎力もその一つですが、「グローバル人材」「キャリア教育」「フロンティア人材」「インターンシップ推進」などなど・・・。さらに、大学での教育のありかた、高校での教育のありかたにまで踏み込んだものもあります。まるで「第二の文部科学省」のような感じです。なぜ、このようなことを経済産業省が行うかというと、(以下は私の想像ですが)急激な少子高齢化、そして人口減少と大きく関連していると思います。日本のGDPが中国に抜かれて世界第3位になりましたが、いままで日本の強みであった産業でも新興国にそのシェアを奪われてきています。最近でもシャープ・ソニーの業績不振がニュースになっています。これから加速度的に進んでいく少子高齢化の中で、日本の産業力を向上していこうと考えれば、日本の進むべき道は、二つしかありません。一つは、海外からの人材を活用する方法です。すでに介護分野では資格要件を緩めて外国人の参入を進めようとしています。もう一つは、一人一人の労働人口の能力を高めて、日本の産業力を向上させるという道です。経済産業省としては、非常な危機感の中でさまざまな施策や提言をしているように思われます。
 面白いのは、平成18年3月に「シティズンシップ教育と経済社会での人々の活躍についての研究会」の報告書です。これは、経済産業省が三菱総合研究所に委託をして日本におけるシティズンシップ教育の在り方についてまとめたものです。シティズンシップ教育については、また別のところで紹介できればと思っておりますが、ここでは簡単に紹介します。シティズンシップ教育は、英国で1980年代から提唱され、「若者の政治への無関心や投票率の低下に対する不安、地域がコミュニティとして機能していないことや地域レベルの活動に市民が参加する機会が減少していることに対する懸念、及び、それらに対して何かをしなくてはならないという思いが強くあった」(前掲報告書より)という問題意識から導入されたものです。ここで紹介されている英国のカリキュラムはとてもリアリティのあるカリキュラムで、実際に英国が抱える問題に向き合い、解決していく人材を育成しようとするものです。一例を紹介します。「知識を持った市民になるために必要な知識と理解の習得」の項目では、「法的権利、人権、義務、刑事司法制度、それらが若者にどう関係しているか」「英国における国家、地域、宗教、民族の多様性、相互尊重と理解の必要性」「コミュニティ・ベースや全英、国際的なボランティア活動」など、「社会参加と責任のある行動のための能力の育成」の項目では、「想像力を使って他者の経験を考え、自分自身とは異なる見方について考え、表現し、説明すること」などが示されています。以下のURLに報告書がありますので、一度読んでみてください。
 
 さて、地方の国公立大学を見直そうということが説明会でも提案されました。私たちは大阪という都会に住んでいますから、大学も私立大学を含めかなり贅沢な選択ができます。ついつい地元国公立大学が無理なら有名私立大学へという選択をしてしまいがちですが、もう一度、「全国の大学を調べたうえで、大学選びをしませんか?」ということを提案したいと思います。やはり、大学を選ぶときのポイントは、その大学に進学した時に何が学べて、何が研究できるのかが第一です。このことを真剣に検討しなければ、説明会でも紹介されていたように、大学に入ったのに中途退学という事態にもなりかねません。そういう意味で全国にある大学を検討し、さらに就職・資格・金銭面などを検討し、大学を選ぶべきだと思います。その結果地元の私立大学を選ぶことも当然あるのです。視野を広げて大学選びをされることを推奨しますそして2年生のみなさんは、行きたい大学、めざしたい大学が決まっていなければならない時期であることも付け加えておきます。

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