推薦入試等を受ける3年生のみなさんへ

 ぼちぼち、推薦入試などが本格的に開始される時期が近づいてきました。推薦入試にチャレンジしようと思っている人は、準備に忙しいことと思います。推薦入試は、大学によってさまざまな形態があります。面接、書類審査だけの入試から、筆記試験、口頭試問、面接、小論文、書類審査などを課す大学まで様々です。ここでは、推薦入試に臨む場合に共通するアドバイスを伝えたいと思います。

 推薦入試に臨むに当たり、一番大切なのは「やる気」です。このことを一般入試と比較して考えてみましょう。一般入試は、たくさんある大学の中で、共通する学部をリストアップし、その中で自分のやりたいこと・学びたいことなどを考えながら、一番入学したい大学を本命として考え、最後は滑り止めの大学までを考えて入試に臨んでいきます。ですから、大学の選択の幅が広いと言えます。これに比べて、推薦入試はどうかというと、一般入試にあるような「選択の幅」を捨てて、「私は、この大学に行きます!」と一本に絞って受験するわけです。ですから、余程その大学に惚れ込んでいなければなりません。ここが重要です。数ある大学から、推薦入試を受ける大学は、「一番惚れ込んだ大学」なのです。だから、推薦入試に臨むに当たっては、「大学のどこに魅力を感じたか(惚れ込んだか?)」「入学してから何をやりたいか?」を熱意を込めて語ることが必要なのです。これが一番大切。だから、面接官に「なぜ、この大学を受験しようと思ったのですか?」と聞かれたら、「よっしゃ!よくぞ聞いてくれました!」と、ここぞとばかりあらん限りの惚れ込んだ内容を語らなければなりません。なのに!誰が言っても言えるような内容しか話をできないのでは、ダメです。惚れ込んだ相手に「好きだ!」と告白することを思い浮かべてください。言葉を尽くすだけではなく、態度で伝えます。目で伝えます。推薦入試も同じ、「やる気」を出して全面に伝えなくてはいけないのです。

 それでは、大学に惚れ込むにはどうしたらいいか。当然推薦入試を受けると決める前には、大学のオープンキャンパスなどに足を運んでいますよね。そこで何を感じましたか?これが惚れ込んだ原石です。この原石をとことん磨いてください。磨くというのは、大学の魅力を語るのにワンセンテンスで終わるということではありません。相手を圧倒するぐらいに話す内容を磨くということです。大学の特徴は何か?自分はなぜその大学に決めたのか?学部で何を研究・学びたいのか?大学が何を研究・教育しているのか?どこの研究室、ゼミに行きたいのか?卒業してから何をしたいのか?話す内容はいくらでもあります。

 2点目。大学側は、推薦入試でやる気のある学生が欲しいのです。そして、さらに一般入試では見えない「個性」を見たいのです。それなのに!長所・短所を聞かれて頭に詰め込んできた作文をひたすら間違わないように吐き出すだけでは、キャラは伝わりません。「高校時代で一番印象に残っていることは?」と聞かれたら、「○○です」で終わる。これは最低です。面接はコミュニケーションなのです。面接官は、何を求めているのか?答えが、修学旅行でも、体育祭でも、文化祭でも、部活でも、勉強でも、なんでもいいのです。面接官は、受験者のコミュニケーション能力をみたいのです。それなのに!ワンセンテンスで終わっていては、会話になりません。「なぜ、そう思ったのか?」「具体的に何があったから、印象深いのか?」「そこから何を学んだのか?」「自分の成長にとってどう役立ったのか?」などなど、一気に話すことが大切です。面接は、コミュニケーションの場です。相手に自分の意思を伝える場なのです。

 3点目。時事問題や学問の内容について質問されることがあります。法学部で「あなたが、最近気になる法律に関する新聞記事は何ですか?」、工学部や農学部・薬学部で「今回の日本人ノーベル賞受賞についてのあなたの感想は?」、文学部や国際関係学部で「あなたが最近読んだ洋書はありますか?」、経済学部や社会学部で「TPPについてあなたが知っていることは何ですか?」などなど。この質問の意図はわかりますか?あなたが、学ぼうとしている学問の分野について、あなたの興味関心度を試しているのです。「この受験生は、入学後どれだけ熱心に勉強するだろうか?」とみているのです。特に、推薦入試やAO入試で合格した生徒は、2極化します。ぐんぐん伸びていく生徒と低迷する生徒です。面接官は、「どちらの生徒?」と見極めようとしているのです。それなのに!この質問にあいまいな答えしかできないなんて、問題外なのです。「自分の進学する学問の分野に興味関心はないのですか?」「何をするために大学に行くのですか?」と思われてしまいます。推薦入試などで受験すると決めたときから、すでに学びは始まっていると思ってください。

 さぁ、推薦入試などにチャレンジする3年生のみなさん!大学にやる気を見せに行きましょう!

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