高校生に求められる力

 高校生に求められる力とは、どのようなものでしょうか。いったい何を身に着けて高校を巣立っていくことを期待されているのでしょうか。高校の校長がこんなことを言っているようではダメなのですが、結局、話は生涯学習社会の中で、高校生にどこまでの完成度を求めるのか、ということに行きつくように思います。高校卒業時に全てにおいて完成した人間ができているわけがありません。さらに中学・高校では目の前に進学や就職がひかえていますので、教養を身につける学習でありつつも、やはり受験を意識した学習であり、受験制度が採点者の主観を排除し、100万人の合否を効率よく捌いていく試験であろうとするならば、設問の手法にある一定の限界点があって当然だと思います。

 一方で、正解のない問題、という言い方がされるようになって久しいですが、それを高校生に経験させ思考力を鍛えるということはとても重要です。大人になって直面する正解のない問題との葛藤を思いますと非常に大切な取組みと言えます。しかし、その重要な力を、客観的なひとつの正解を答えさせることを基本とする受験制度で試すことは(学校個別での選抜試験を除き)簡単ではなく、結論として高校生の段階では、正解のない問題への取組みを通じ、あくまで上級学校へ行ってからの学びの手法を経験する、というふうに理解しておいた方が現実的であるように思います。生徒がそこに学ぶ面白さを感じてくれれば、その前提として、今、取り組んでいる受験学習の重要性も理解してくれるのではないかと思います。

 いずれにしても、高校生の発達段階としては、若々しい脳に一つでも多くのデータをインプットし、思考の源となる言葉を一つでも多く覚え、人として生きる喜びと難しさを一つでも多く経験すべきだと思います。この基礎基本がしっかりとできていれば、インプットしてきた多くの情報と経験を元に上級学校に行ってから、より大きなスケールで「主体的・対話的で深い学び、系統的な学び」を展開することができる、そう期待できるのではないでしょうか。

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