高校時代の私 episode 3

 高校2年の時、初めて校外での公開模擬試験を受けました。それまでは、O社の全国模試と兵庫県が実施していた県下一斉模試を学校内で受けていただけで、校外での模試を受けることはありませんでした。会場は、ある大学でしたが、もちろん初めて行くところでした。交通の便の良いところだったわけではなく、さっきweb検索してみると最寄り駅が阪急園田なので、西播磨にある私の実家から行くとなると3時間弱の行程になります。

 当日のことは、今でもよく憶えています。公開模試と言ってもある神戸の予備校主催だったものですから浪人生もいて、しかもその多くが知り合いなのでしょうが、ワイワイと身内で話が盛り上がっています。もちろん入試情報を交換しているのですが、聞いていてもよく理解できない。単身乗り込んだ田舎の高校生はすっかり雰囲気に飲まれてしまい、会場で萎縮していました。

 これが受験現場というものか。その時ひとりでそんなことを考えていました。回りは都会の高校生。自分よりずっとできそうに見える。受験慣れした雰囲気があって、どんどん自信が無くなっていく。今思い返しても息がつまるような時間でしたが、私には必要な時間だったように思います。

 結果は惨憺たるものでした。しかしアウェイの空気を経験し、度胸をつけるには絶好の機会だったと思います。普段の力を出すことができず、その原因は何かと考えました。そしてたどり着いた結論は・・・冷静さを失ったら力があってもあっさり普段の半分の点になる、という事実。ということは、冷静でさえあれば普段通りの点が取れて合格できる、という確信。ならば回りを一切見なければいい、陸上の試合の時と同じじゃないか、そう思えるようになって随分気が楽になったように思います。

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