Group Work (You, I から We)(授業見学4)

 現代文、理数数学Ⅱαの授業でのGroup Workを見せてもらった。現代文では教材の中で「不幸にして恋人を亡くした人から手紙をもらった主人公になって手紙を書く」という課題に取り組み、前時間に各自が提出した作品を各グループで出版社の編集員の立場でどの作品を出版するかということを話し合う様子を見ました。様々な観点で選ぶことが想定できるため、理由を説明する側、受ける側にも様々な思いがあり、スパッと切れ味鋭く「これ」と言い切れない空気が漂いました。だからこそ、考える価値があり、意見を交換する価値がある。

 数学αではジグソー法を用い、すべての人が欠かせない存在として学びを深めていくプロセスを拝見しました。3つのステップを必要とし、2回移動する。5問の問題が提示され、5人1組の班を8つ作る。まず、個人で割り当てられた問題を解く。同じ問題を解いた人たちで集まる。協働しながら解法を探し求める。元の班に戻って自分の与えられた問題について解説をする。同じゴールを共有した人たちと話し合い、より良き解答、より良き説明ができるよう格闘する。協働する力が培われる。それぞれがその問題のスペシャリストとして元の班のメンバーに説明する。論理的構成力や表現力が問われる。その過程で、たぐいまれなる力を持った人との出会いや問題の本質的なことを考える機会を得ることがあるかもしれない。多様性があることを受け入れながらお互いを認め合うことができる点がGWのいい点である。

 Workは日本語で「仕事」という意味が最初に思い浮かぶ言葉だが、実は動詞として「作用する」「機能する」という非常にプラスの意味で使える素敵な言葉だ。Groupが「機能する」Work、そしてI、youがGroupの中でWeになっていく。2つの授業を見ながら、このWがGroupの中で埋め込まれたときにGroW up するんだと感じました。グループの中で誰と話していてもWeを感じられ、グループとしての役割が「機能」していれば、その活動を通じて「成長」が促されるんだということを感じる機会となりました。他動詞growは人を目的語に取らない。主語がGrowするのだ。改めてそう感じました。