A が大事なんですよ!

 「校長先生、頭白くなりましたなぁ。」テーブルの真正面にいらっしゃる方が声をかけてくださいました。1年めには、「高校生活が人生で一番楽しかった」とお声がけいただき、昨年は、感謝の念を込めて恩師をお招きして数多くのクラス会を開いたお話をしてくださいました。体調管理をしっかりしてこの同窓会でみんなと会える時間はかけがえのないものだとお話ししてくださいました。

 11月8日(土)創立130周年記念久敬会総会が行われました。東京久敬会とオンライン上で結び総勢300名近い人が参加されました。20代から90代の方までが集う130周年をお祝いする華やかさに満ち溢れた4時間となりました。

 久敬会会長、副会長、東京久敬会会長、事務局長のみなさまがお言葉を届けられ、総会は進み、厳かな空気の中で、記念講演を迎えました。

「技術者から経営者への道~私の半世紀の歩み」の演題で、パナソニックホールディングス株式会社特別顧問でいらっしゃる高27回の津賀一宏様からお話をいただきました。ご講演の中で20代から50代までの時間軸に沿い、技術者として取り組まれたところから社長として向き合ってこられた様々なことについて示唆に富むお言葉を届けてくださいました。

 消費者として販売される家電やオーディオ製品として見、聞きしていたものが、津賀様ご自身のかかわりの中で開発、改善されながら届けられていたこと、新聞をはじめとする報道により得ていた会社の状況を、まさにその渦中、中心で向き合い、取り組まれていたお話を伺いました。想像をするだけでも各所、各場面で断ずること、診断、判断、決断の難しさが容易でないことが推し量れます。大きな決断、外科手術というお言葉を用いられながら「従業員、お客様にとって何が一番幸せなのか、何で役立っていくのか」を問うこと。自らの意志力の大切さをお伝えくださいました。年代を越えて、「成長はいつもキーワード」、「暮らしを、世界をアップデート」、「A better life, A better world」 多種多様な言葉を携え、その奥底にある人の幸せ、一人ひとりの幸せ、それが多くの人、世界中の人に共有されるべく届け続けようとされるお話の連続に体中に電気が走るような思いがしました。

 変化を恐れず、感情、直観をモデル化し、新しい発見ができる。素直な心に英知を集めて、未知なる未来へ挑戦する。

 現在、在校する茨高生に、直接、届けたくなるメッセージの数々でした。私の筆力ではとても表現しきれません。ほんの数パーセントでも読んでいただく方に共有していただけたら、新しい一日が始められる大きなエネルギー源になることは間違いないと思います。正しいことは一つじゃない、それを探し求めることが大切だと直接、語りかけていただいたことに大きな勇気をいただきました。津賀様、貴重なご講演ありがとうございました。

 130周年記念式典(10月18日実施)でのシンポジウム内の「50年の時を経ても変わらないこと」が確認できたこと、在校生が「おもしろい」「疑う」をキーワードに日本哺乳類学会で発表することが叶ったこと、予測を越える出題のおかげで、コミュニケーション能力を大いに発揮できた科学の甲子園で表彰される栄誉に輝いた話などをご挨拶の時にお伝えしました。多くの同窓生のみなさま、諸先輩の方々がご在校当時と変わらず、茨高生が生き生きと高校生活を送っている様子を幸せだと感じるということをお伝えくださいました。本ブログ冒頭での、お心遣いいただいた言葉がすべてを伝えてくださっていますが、茨木高校は多くの同窓生の暖かいお心、包むような佇まいに支えられ、歩を進めておりますこと最後に添えさせてください。

頭は真っ白、でも、心には燃える炭火。炎にはならないけれど、ふんわり赤い。