大阪府教育センター附属高校とは今のところまったく関係ないのですが
地元大阪に関するニュースなので、多くの方に知ってもらいたいと思い取り上げました。
「OPUSAT」というのは、大阪府立大学 工学研究科の小型宇宙機システム研究センターという施設で
学生が中心となって衛星の設計・組み立て・宇宙環境を模擬した試験・運用などを行う目的で開発された
小型の人工衛星(=Satellite)のことです。名前は「Osaka Prefecture University Satellite」からきていて、
1辺が10cm程度の立方体に近い形をしています。
この「OPUSAT」が先月末、2月28日(金)の早朝にJAXAの種子島宇宙センターから
H2Aロケットによっていくつかの人工衛星と相乗りする形で無事打ち上げられました。
ただ、打ち上がればオッケー!というわけではありません。
「OPUSAT」には、宇宙空間での任務 = ミッションが2つ課せられています。
1.新しい蓄電デバイスの実証
「リチウムイオンバッテリ」と「リチウムイオンキャパシタ」という2種類の電気をためる装置を組み合わせて
小型・軽量・長寿命な電源システムとして使えるかを確かめる、というミッション。
「リチウムイオンバッテリ」というのは、いわゆる エ〇ループ のような繰り返し使える充電池のことで
「リチウムイオンキャパシタ」というのは、リチウムイオン充電池を負極にもつタイプのキャパシタのことです。
キャパシタ(コンデンサーともいう)は、化学反応によって電流を生じさせる化学電池と違って、
物理的に正負の電荷を互いに引きつけあわせる事で電気をためることができる装置のことです。(高校の物理分野で出てきます)
違う特性を持っている両者を組み合わせることで、理想とする電流制御を行うことができるのです!
2.大電力獲得システムの実証
OPUSATにとりつけられた太陽電池で効率よく発電できるよう姿勢を制御する、というミッション。
発電した電気は、1.の蓄電デバイスに蓄えられます。どちらも未来の宇宙開発につながる技術です。
「OPUSAT」の概要は以上です。詳しくは、公式サイトでご確認ください。
昨年の夏には、JAXAの新型ロケットである「イプシロンロケット」の打ち上げが話題になっていましたが
今回の「OPUSAT」は、大阪で、しかも学生が主体となって進められている計画、ということで
宇宙開発をより身近に感じられませんか?というニュースでした。