授業を見学させていただいている。化学、物理、地学。どれもとてつもなく大きな壁だ。数学は何度も、「お前にはこの壁は越えさせぬ。」と言われ、ただひたすらその壁の前でひれ伏すしかないのが現状だが、科学は乗り越えようと時に思うことがある。
すっきりとしたプリントで、明晰な説明、必要に応じてその場にとどまり、説明を付け加える。論理的な説明を積み重ねた後の問い。この問いは一人で考える。与えられた選択肢の中で、手を挙げる。自分の答えに責任を持つ。先生からの解説。ちょっとした落とし穴。緊張と緩和が折りなすハーモニーの中で聞こえる「あっ。そうか。」心からほっとし、喜ぶ生徒の姿。この一つひとつの問いと導き出した答えの集積が研究の成果へとつながる日が来る。きっと来る。その第一歩を今歩もうとしている。
クロームブックを開き、グループワークを行う。IBARAMAの中で身につけたJamboard協働作業。それぞれが考えたことを共有、修正。この1時間の中で進歩、進化していることが見て取れる。「わかるとおもしろいね。」シンプルなこの言葉がこの授業の厚さを物語っている。
「何をもって生きるとする。」哲学的にではないというDirectionがあるにもかかわらず哲学的に答える生徒がいる。そして理路整然と答えを導く生徒がいる。数々の問いと、提示できるときには実物が生徒に提供される。今回の授業は数十億の時を超える題材なので実物ではなくアノマロカリス(3種類)(3種盛り)とグリバニアのぬいぐるみが生徒のみなさんの席を訪れた。
本質的な学びの深さはもちろん、ユーモアあふれる語り口、発見する喜び、多種多様に味わえる65分であった。
授業の中で出会った言葉で刺さった言葉をご紹介して今日のブログを締めくくる。
・熱さに耐え忍んだものが私たちの先祖!ありがとうございます。
・スノーボールアースに耐えたものの進化が著しい。
・ピカイア負けそうやのに、生き残った。
・働いているけど仕事してない。
・いくら薄めても酸は酸でしょ。
示唆に富む深い言葉ばかりだ。
何をもって生きるとす。
余談:日付を言いながら全然違う番号の人が当たった。それには理由があった。先生にだけ見えている世界があった。授業後、振り返りをしながらご教示いただいた。うなった。