Is seven days short?

一週間後、いよいよ体育祭、本番だ。昨日は、審査員としてどう向き合うべきかという心構えをいただく会合が招集された。観点と基準が示された。先生方からも質問がなされ、係の生徒のみなさんも懸命に答えてくれた。かかわるすべての人たちの努力がひとところに集まるからこそ、時に進むべき道が見えなくなり、立ち止まらなければならないことがある。俯かなければいい。前を向けばいい。空を見上げればいい。思ったより空は広い。自分にも何かできるスペースがある。必ずある。自分じゃなきゃダメなことがある。

11年前、アメリカ東海岸、ボストンの街でGLHS10校の生徒20名が研修に参加した。ハーバード、MIT、その当時の世界のTOPクラスの大学での研修だ。各校を代表して集まった20人、それぞれ個性的で持ち味はみんな違った。英語が抜群にできる、理系の素養はピカ一、たぐいまれなコミュニケーション能力を持つ生徒、強いところと弱いところをお互いに相互補完しながら、ハーバードではがんの治療について、MITでは微生物についての講義を受けた。おそらく日本語で聞いても難解な講義に向き合った。ずっと研修中スーパーバイズしてくれているジョンが言った。「今回の参加者は今までに見たことのない生徒だ。講義の内容が難しいときに一人も教員のほうを向こうとしない。講師に食い下がっていく。すごい。面白い生徒たちだ。」この話を聞いて、参加者の一人に伝えた。その生徒はこう答えた。「自分はこの参加者の中で一番英語ができない生徒だと思う。だから、事前の研修でもらった分厚い英語の文献を必死に読んで、備えた。さっきの講義の時にはそれが役に立った。うまく質問できてよかった。チームの一員になれたと思う。」講師は教壇から降りて、質問に答えようとしてくれた。驚きの瞬間だった。個性のまま、ありのままに自分の力を発揮でき、お互いの長所が際立ってこそTeamだということを教えてくれた。唯一の一年生は、年少だからこそいつも突破口を開いた。その姿勢に上級生は触発された。一昨日は11年ぶりにそのメンバーと会う機会をいただけた。10代に海外に行けたこと、このメンバーでありのままにいることの力強さを学べたこと、突破することの意味を知ったこと、様々なことをこの研修で学んだということを伝えてくれた。ハンガリーでの留学や、インドでの仕事の様子、自ら起業して人と地域をつなぐ仕事を展開していること。有名な観光地の都市で英語の案内に携わっていることなどに関して話を聞いた。すべて、この10代での体験がバックボーンとしてあるとのこと。挫折も含めてすべていい経験だったと告げる一人ひとりの姿に感謝した。このメンバーのおかげで今のGLHS10校の研修がある。感謝の念は尽きない。

 うまくいかないこともある。思うようにならないこともある。でも今日の説明をしてくれた体育祭の係の人たちの憂いがすべてしみじみと振り返られるときがやって来る。必ず来る。そしてその経験が自らの、そして、自分の周りにいる人たちの支えになる瞬間が訪れる。多くの卒業生がそう教えてくれている。校長室を出ていく3人の背中にその思いを投げかけた。お話を聞かせてもらった人だけじゃない。携わるすべての人たちの経験が実りあることを願っています。