保つ衣を愛でる その1

 130周年記念式典、67期生若林有子アナウンサー司会の司会で第1部の記念式典が始まった。開式の言葉、国家、校歌斉唱の後、校長式辞では、時間軸の中で多くの人に支えてもらう中で、高校1,2,3年生の今の自分があり、そのことに感謝をして奇跡を起こしていこうというメッセージをこの10年間様々な困難を乗り越えた茨高生の話を添えて届けられた。PTA会長様からは茨高生として、そして2回のPTA会長としてかかわる中での吹奏楽部内のトランペットにまつわる心温まるお話をお伝えいただいた。久敬会会長様からは現役生への支援について具体的なお話と熱い思いを語っていただき、同様にOBとなった時には現役生の支援を共にしてほしいという最大級の声援をいただきました。来賓の代表として教育長よりご祝辞を賜った後、生徒代表の言葉として生徒会長より、生徒会のこれまでの歩みに対する敬意としっかりと受け継いでいく決意が語られた。厳粛なムードで式典が進む中、原稿を見ずに語る、誠実で、思いの溢れる生徒会長のスピーチの結びに聴衆からの共感、称賛、感謝の意を込めた割れんばかりの拍手が送られた。そしてそれは、まさしく聞き手が、2部記念講演、3部記念シンポジウムに積極的に参加するという口火を切るきっかけとなった。

 2部では京都大学副学長 白眉センター長 高校28期の高倉喜信様、株式会社morph transcreation代表取締役 高校49期小塚泰彦様よりご講演をいただきました。

高倉さまからは「あまり円くならなかった元茨高生からのメッセージ」と題して、茨高在学時代の学習やクラブ活動に取り組まれたご様子や大学での学びなどに触れられながら、変幻自在の変化球を使い、ユーモアたっぷりに会場を笑いの渦に巻き込みながら、でも結果的にその偉大な功績に聴衆が思いを馳せたであろう瞬間に「一球入魂」「Do my(your) best」のお言葉を直球でど真ん中に投げ込んでくださいました。

 和装で登場された小塚さまは、江戸時代の英和辞典を導入に、様々な誰もが知る世界的な企業で携わられてきた言葉を繰り出す世界を次々にご提示いただき、聴衆全体に言葉を失わせるほどの衝撃的なインプットをしてくださいました。私だけかもしれませんが処理する能力が追い付かず、実は今も何度も振り返りながら味わい返しています。そして味わい返せているのかもわからないくらい多種多様で、大きく、深い世界の入り口に立たせてもらう機会であった、私を含む多くの聴衆が息を吐くのを忘れるくらいに聞き言っていたように思います。読書経験として示されたゴムあた

まポンたろう、かなしみ、強く心を動かされ、自らが波紋を起こす一滴になろうと考えられたというお話は10代の若者たちの心をどれくらい浸すことになる一滴になるのかを想像もできない衝撃でした。(何しろ62歳の私でさえ、もしかしたら新しい一滴になれるかもとワクワクしてしまうお話の連続でした。)

 本来なら、ここで3部についてご紹介をしなければならないところですが、お伝えするには私の力量が理解、表現する力が足りておりませんので、次週までお待ちください。