
あの時の3年間が素晴らしかったと感じる。驕らない誇り。真面目に頑張るのが好きだ。自主自律。地頭の良さ。人や物事にまっすぐに取り組む素直さ。茨高を愛すること。司会者からの「茨高生に共通することは何ですか?」という問いに、高倉さま、小塚さま、若林さまがお答えいただいた第3部のシンポジウムでの冒頭の場面だ。
円くなりそうになった時、ご病気と闘ったとき、大学院をめざす、新しい仕事を探す、全く違う海外の環境に2度わが身を置いたとき、それぞれのみなさんが迎えたその時に、いつも少し高いハードルを越えてこられた。さらっと、仰る、大好きなことをやり続ける。それは努力ではない。好きなことが見つかって、それが得意である(になる)。このことが最高だ。ストレッチゾーンに身を置く。(Comfort―Stretch―Panic 3つのZone)背筋が伸びるようなことをやってみたい。三人三様、表現は違えども、現状より一歩でもよりよくするために無限をめざして歩み続ける。原動力は前を向くことだ。様々な角度で現象をとらえることだ。何か心にかかるフックに「好き」「おもしろい」を見出し、それぞれにしかない感性で誰も生み出せないものを生み出し続ける。さらっと語られるその一言の奥にある大きく、深い力に魅入られた。質問に答えていただいた以上に聴衆は共通部分を感じとっていたに違いない。
あぁ、そうだなぁ。本当だなぁ。そう感じた言葉。若林さまが「卒業してから時間がたっているけど、茨高は変わらないなぁ。」と仰いました。少し考えた後、小塚さまが「自分が卒業してからもっと時間がたっているけど変わらないなぁ。」と生徒がこの会の運営をしている。司会のこの役もどうやら立候補もありだった様子。学校運営の幹となる部分にも生徒が主体的に、様々なことにかかわる姿。「変わらないな」の意味は大きい。少し間をおいて高倉さまの「いやほんま変わらへんな。」一瞬静けさが訪れ、会場が笑いに包まれた。時の流れを感じた。間違いなく。67期生、49期生、28期生。今の一年生が80期生だ。52年の歳月が流れている。でも間違いなく変わらないということを共有できたのだ。「保つ」ということのすごみやすばらしさを感じだのだ。みんなでその衣を纏っていることを愛でたのだ。「保つ」を「衣」で包むと浮かび上がる漢字は「褒める」だ。変わらずにいることを「褒めて」いただいた。自主自律、少し時間がかかる方法だけれど、たくさんの曲がりくねった道を行き、回り道を何度も何度も歩むけど、だからこんなに素敵な人が育つ、巣立つ。130年の歴史を一気に振り返り、その伝統の一端を感じられる素敵な時間をいただいた。襷を身に纏えたことに心より感謝し、しっかりと繋いでいきたい。