参加者の最大年齢差70歳。10年を一世代として捉えたとしても8世代の方が一堂に会した3時間半だった。第15回東京久敬会総会。会長より本会の30年の歴史についてのご紹介を兼ねたご挨拶をいただき、新会長のこれからの東京久敬会への思いを語られるご挨拶に続き、久敬会長より祝辞を賜った後に事務局長より活動報告がなされた。
ガストロノミーツーリズム、民から官へというまさにバラエティーに富んだご講演をいただいたのち、休憩をはさんだ後、今回の東京久敬会を奥行きのある、今後の広がりを感じさせるエネルギーの源である67期生の乾杯から第2部がスタートした。ジャズシンガー、アコースティックデュオN.Uのパフォーマンスを拝聴した後、様々な分野で活躍される方々のPRタイムとなった。
席替えがなされ15期から72期までの8名が一テーブルで、まさしく世代を超える会話に大きな花が咲いた。
多様性などという定義で括ることはできない。政界、財界、官僚、医療、研究、芸能、文化、あらゆる分野で、第一線で活躍されている方々が集った。自分の興味があることを、突き詰めて、突き進めていく中でたどり着いたそれぞれの分野で、楽しみながら全力を注ぐ、その姿をお互いに眺め、耳を傾けながら、面白いと感じるすそ野を広げていく。年代やいろんなジャンルを超えてお互いに認め、讃え合う。こんなに等身大で、前向きで、それでいて肩に力の入らない交わりには一般的に出会う可能性は極めて低い。少なくとも自分にはあまり経験がない。同じテーブルにいた66期生と69期生は体育祭の話の中で、校内で時を同じくした経験がなく、同席したことがないにもかかわらず、共通の人間の話題に触れながら、深い絆を感じていた。そして私もその人が京大で78期生に話をしているのを聞いたことがあると告げ、仲間に入れてもらった。一体感が生まれる。自主自律の精神を大切にし、高い志を持っている(ある世代は必ず「二兎を追う」を挙げる)。茨高が学校として大切にしているものを堅持することで130年近い時を刻みながらも、変わらずにあるもの、時代とともに変わりゆくものを大きな心で受け止めていく、そんなさまを目の当たりにしました。ある方は、こう仰いました。「一番大切なものは現役生、在校生です。彼(女)らの役に立つためだったら、同窓会は全力で応援する。校長は遠慮なく声をかけてくれ!待っている。」表現は違えども、多くの方から同様のお声がけを頂いた。同時に冒頭のごあいさつでの今年の体育祭の話に感激したというご感想もいただいた。現役のみんなの頑張りが多くの同窓生の心を鷲掴みにした。時代を、世代を超えて共感する伝統の力だ。世界の様々な地域で発揮された伝統の力だ。
東京から、日本を、そして世界へ羽ばたくそんな日が来ることを願いながら大阪への「のぞみ77号」に飛び乗った。(特急券を紛失した心の傷を携えながら)