隅、冷え男

「ナスカの地上絵、なぜなくならないかわかりますか?」

一気に話し合いが始まる。ジェスチャー付きであちらこちらで説明する声が行き交う。

海流と砂漠、寒流、暖流、砂砂漠、礫砂漠、岩石砂漠、蒸発量と降水量、砂丘と砂漠。

油断できない。説明に納得しながら余韻に浸る間を許さない。次から次へと質問が飛んでくる。「わかってる人教えてや。一人だけかしこなってもあかんねんで、みんなでかしこなっていくねんで。」「覚えて、忘れての繰り返し!」の励ましの言葉を織り交ぜる中で、生徒たちは迎え撃つ。150㎞くらいの球は打ち返しますよと言わんばかりだ。

 自分自身お話を伺いながら、今夏訪れた、サンフランシスコとバークレイの気温差、25年前に住んでいたアリススプリングスにあったFlood Roadの謎が解けた。知識として身につけながら、実生活と結びつけ、世の中を眺めていく上で興味深いチップが示されていく。

このリズムで、密度で、濃度で授業をするところに至るまでの経路をお聞きしたところ、最初の1,2年間はもがき苦しんだこと、それは今までに積み重ねてきたものを捨てて臨まなければならなかったからだということを仰いました。「提示するものを取捨選択しながら、今授業で示しているものは人気商品のオンパレードだ」と話しながら、どんどん高めていこうという思いが体中から零れ落ちていく様子に頼もしさを感じました。

タイトルは、アメリカ五大湖を覚えるごろ合わせです。冷えた空気に苦笑しながら説明を加えられましたが、実はこれ西側から並んでいるという、位置も覚えられ、更に冷えた空気はこれが氷河湖であるということも頭に入れられるということまで想定済みという代物なのです。

砂漠の中で見た地平線を思い浮かべながら授業を堪能しました。ありがとうございました。