おそらく最初の出会いは昨年度春の音楽会だったのだろう。音楽に対する教養のない私などからしたらジャンルを特定できないピアノの演奏に触れた。まさしく「心に響く」パフォーマンスだった。
お料理のコンテストで東京での本選に選ばれたという報告をしてくれた。16000件の応募者の中で6つの料理作成者が出場するということであった。昨年も同様に選ばれたが、東京で実際に料理をふるまうというところには至らなかったと伝えてくれた。今年はベスト3として全国の舞台でプレゼン、料理を披露し、堂々の準グランプリを獲得した。
ほんの数週間前、広告(地域の自慢のものを示す)のグランプリの入賞の報告にも来てくれていた。短期間に全国というところを舞台にして、尚且つ賞を獲得するという離れ業を成し遂げたことに対して敬意を払い質問を投げかけた。
「料理に関してはいつもお世話になっている人に喜んでもらえるようなものをつくろうと考え、どんどんおもしろいと思える範囲が広がり作品が出来上がっていく。作品そのものに愛着が湧けば、いかにそれを伝えるべきかという一番いい表現を探し求める。そのこと自体がまた興味深く、関わる人みんなが幸せになっていくことに幸せを感じる。」 ご本人の言葉を忠実に再現できているわけではなく、かなり私の解釈の入った言葉になっているが、その「正」の連鎖が多くの人の「生」を支えているとしたらこんなに素敵なことはない。広告の中に示された地元の中の「おいしいもの」。食べ物そのものも、育てた人も、そして作品を見た人もみんな幸せになる。その原動力が「好奇心」。可能性が大きくなることを好む「好奇心」。生徒のみなさんのこれからの人生に示唆に富む何かを与えてくれるストーリーとして共有させてもらいました。校長室を訪れてくれ、お話してくれてありがとう。まだまだ処理できず、表現でき切れませんが、10代の若者の限りない可能性を感じられたことがこの上なく幸せです。ありがとう。そして、おめでとう!
生徒のみなさん、今日はテスト初日、ベストが尽くせますように!