正解は一つじゃない

以前のブログで自動詞、他動詞の見分け方の一助として赤ん坊でもできる行為が自動詞の中に多いという説明をしました。生徒玄関で佇んでいるときにstand(立つ)を左右片足で立って確かめてみると、ふらふらする。体重がつま先や踵、土踏まずなどを移動し、なかなか簡単にきれいに止まれない。その様子を見かけてか挨拶をしながら微笑んで(smile=自動詞)くれる生徒たちの姿。どぎまぎしながら、「おはようございます」を返す。朝の挨拶、笑顔の挨拶。声が届かなくても、頬笑みが届く。それは頬笑みかけてくれているからだ。顔の表情が和らぐ、柔らかい笑顔を投げかけてくれる。

9月20日(土)毎日放送アナウンサーの山中真さまを講師としてお招きし、1年生の保護者の方対象の進路講演会でお話をしていただきました。

お話を始める前段階で、ご講演の全体像を一枚めのスライドでお示しになりながら、プロフィール、局アナとして、そして子育てという3つの題材のどこに一番惹かれるかというご質問をされ、会場とやり取りをされながらさっと空気をつかんでスタートされました。ご自身の歩みをさまざまな観点からお話され、お子様の在学中の様子、現状についてお話をされた後、局アナとして携わってこられたこと、アナウンサーとして果たすべき、果たしている役割についてご説明される際に訪問された国々についてご紹介があり、驚きの声や目を見張る様子に聞かれているみなさんが心躍る様子が見て取れました。併せて、テレビの社会的役割やSNSとの関係性などについての一定のご見解を示され、みなさんそれぞれがそれぞれの問題に思いをめぐらせておられました。

「局アナの4人子育て正解探し」というタイトルの本題の子育てのところからスピードが上がり、密度が高く、濃度がぐっと上がります。ここまで正解のない問題をさまざまな形で取り上げてこられた中で、ご家族の中で大切にしていることを挙げながらご教示されていきます。「子供を自分の所有物にしない」「子供のことに懸命に取り組みながら子離れしない」「比較しない」「一緒に勉強をする」「友達の名前を覚えさりげなく会話をする」「夫婦仲良く」奥様への愛情とリスペクトに満ちたエピソードの中で子育てに関する必要不可欠なキーワードの数々を投げかけてくださいました。

「子育てのゴールはきっと一生ない」であるなら「一喜一憂」する必要がない。「失敗が次の成功につながる可能性がある」ことを心から信じ、声をかけ、心を通わせることが大切であるとお伝えくださいました。語りかけてくださる言葉のすべてがお聞きになる皆さんにほほえみかけてくださっているように感じられるご講演でした。

「子育て」の部分を「教育」と読み替え、「正解のない問い」に向き合うことを感じさせてもらう土曜の午後をいただきました。山中様、お忙しい中、貴重なお時間をくださりありがとうございました。様々な場面で今日のお話がご参加されたみなさまの取捨選択の際に生きてくる、そう確信させていただけるメッセージの数々、ありがとうございました。

ご参加いただいた保護者のみなさま、お力添えいただいたPTAの委員のみなさまありがとうございました。、土曜の午後に力寄せていただいた先生方ありがとうございました。