選手権に向けて⑦

選手権初戦まであと少し。インターハイを終えたあと自分はチームに残って選手権を目指すかどうかをとても迷った。キャプテン達や他の皆のように強い意志を持ってすぐに決断することができなかったのだ。

理由は様々なことに対する不安などがあったがそうした精神面での課題はこの畷高サッカー部での自分にいつもついて回ったものだった。

では何がこの決断を後押ししたのか、それは「挑戦しよう」という思いだった。

この挑戦とは強豪校への挑戦などでももちろんあるが、今までのように不安や失敗に怯え退路を選ぶのではなく、そういったものに打ち勝って自分の望みを全て達成してやろう、自分の高みをめざそうという思いだった。

この畷高サッカー部という最高の環境と最高の仲間の力を借りてそれを成し遂げようと決めたのだ。

この先の人生でもこのような場面には沢山出くわすだろう、そういった時でもこのサッカー部で得たものの一つとして挑戦を選ぶということを貫いていく。

有名な歌にもあるように「高ければ高い壁の方が登った時気持ちいい」のだ。

たとえそれが失敗に終わってもいつか成功しその失敗を後から笑えるまで挑戦を続けられる人でありたい。

そのような自分だが何一つ特別なプレイヤーではない、強豪校相手に及ばないものの方が多いだろう。それでもここまで長い間サッカーを続けてきた、サッカーを通した経験が今の自分を作っている、この先これほど全力になれることもないかもしれない。

だからまずは一緒に戦ってくれる仲間とともに、そしてここまで支えてくれた家族、先生方、先輩方への感謝の思いを持って自分の集大成を選手権の舞台で見せる。
3年プレーヤー F
掲載:顧問浅田