選手権に向けて⑥

もうすぐ最後の夏がやってくる。僕が畷高サッカー部に入ってもう約2年半。あっという間だった。

僕は昔から気分屋で、その日の気分によって調子も変わっていた。調子が良い時はプレイも良いし、何もかもが上手くいく。自分が最強なんじゃないかとすら思う。

しかし、悪い時は何も上手くいかない。そういう波があった。ひとつ後悔があるとすれば、調子が悪い時に踏ん張れなかった時があったことだ。自分が投げやりになっている間に、周りの仲間達にどんどん追い抜かれていった。

そして、去年の夏にはメンバー入りすら出来なかった。 そんな僕でもずっとやり続けてきたことがある。それは「走ること」だ。どんな時でも走ることだけは止めなかった。これだけは誰にも負けたくなかった。

小学1年生からサッカーを始めてもう12年。テクニックはなくともガッツとスピードがあった。今でもプレイスタイルは変わらない。

"魅せる"プレイとは、華麗なテクニックのことだけを言うのではなく、最後まで諦めずに走ったりすることも言う。

ここまでサッカーを続けてこれたのは、サッカーが好きなのはもちろん、親やチームの仲間、顧問の先生方や先輩方のおかげだ。今まで自分のことを支えてきてくれた人達に勝利という形で恩返しをしたい。最高の仲間達と最高の試合を届けることができるように、最後まで諦めずに戦う。
3年プレーヤー H
掲載:顧問浅田