今まで、僕は行動する前に結果を決めつけていた。
最初、僕はこの畷高サッカー部に入った時も所詮は公立高校の部活で、強豪校には敵わないと考えていた。
僕達と強豪校ではサッカーに対してかけている時間も才能も全く違うと思っていたからだ。
だから皆が打倒強豪校を掲げていてもあまり実感を持つことが出来なかった。
そう考えていたからか、周りの皆が本気でこの部活に対して向き合っているのに、僕にはそれが出来なかった。
それは自分達の代になっても同じだった。
僕達が3年生になってすぐにインターハイ予選がやってきた。
僕達の結果は一回戦敗退だった。
強豪校に負けるのは仕方がないと考えていたが実際は挑むことすらできなかった。
これは本当に悔しかった。
しかし、もっと悔しかったことは僕自身がこの試合に関わることが出来なかったことだった。
正直ここで引退することも考えた。
何故ならこのまま残っても何かが変わるとは思わなかったからだ。
でもそれはこの部活から逃げた気がして嫌だった。
だから僕は選手権まで残って本気でやる道を選んだ。
残ったからには本気でやろうとインターハイ予選から選手権の間今までよりこの部活に対して向き合った。
するとこのチームをまだ終わらせたくない、選手権で強豪校に勝ちたいという気持ちが出て来た。
その気持ちのおかげで更に頑張ることが出来た。
僕の本気で向き合わない態度が、チームに対して迷惑をかけたこともあったと思う。
特にキャプテンには色々思うところもあったと思う。
それなのに、このチームで頑張れている事には本当に感謝している。
今、部活に対して本気で向き合えていない人も、本気で向き合って頑張って欲しい。
この部活はそれを応援してくれるところだから。
そうすれば、自分自身も成長できるはずで、それはチームのためになると思う。
僕はこれに気づくのが遅くて、まだチームに対してあまり恩返しを出来ていない。
だからどんな形でもいいから選手権での勝利に貢献する。
これが僕がこのチームに対してできる最大の恩返しだと思う。
3年プレーヤーA
掲載顧問浅田