11月14日(金)、小・中学校「理科」指導者養成長期研修において大阪市立科学館での所外研修を実施しました。この研修は、科学館が行っている来館者の前で実験を行う「プチサイエンスショー」の演示を通して、科学の楽しさ・不思議さを来館者に伝える体験をし、この体験を今後の学校やCST(コア・サイエンス・ティーチャー)としての活動にいかすことを目的とした研修です。
午前中は、科学館の概要やプチサイエンスショーの演示の注意点や心構えなどについての説明を受けた後、午後から行う自分の演目を選び、それぞれの担当のサイエンスガイドの方から各自が選択したショーの内容や実験について学びました。
午後は、まず、学芸員が演じるサイエンスショーを見学し、その後、実際に受講生がプチサイエンスショーに取り組みました。来館者は、幼児から年配の方まで非常に幅広い年齢層で、もっている知識や興味もバラバラです。そんな中、どのようにすれば観客を引きつけ、満足していただけるかを真剣に考えながらの取り組みとなりました。最初は少し緊張気味でぎこちない様子でしたが、すぐに、観客の反応を見ながら目線や話し方を工夫したり、自分のショーを科学館の展示につなげて興味を持たせるなど、場や観客にあわせたショーを、自分自身も楽しみながら演じることができるようになりました。
受講者からは、一日を振り返り、次のような感想が出ました。
「小学校の時に月の満ち欠けを不思議に思い、科学館で展示物に触れたことで納得し、感激したのを覚えている。その積み重ねで科学が好きな子が増える。普段の授業で『あぁ!』と納得し感動する場面作りが必要だと思った」
「お客さんの年齢層が幅広いので、それぞれの理解度を確認しながら一緒に物語を紡ぐようにショーを進める工夫をしたので、お客さんの展示への理解と興味を高めることができました」
「ショーを見られる方々の年齢層は幅広いので、その方々がショーで学んだことを身近な人に伝えると、どんどん科学が人づてに広がっていく。発信者の魅力、ショーの素晴らしさを感じた」
この研修では、理科や科学に興味や関心を持たせるには、実物や実際の現象を見せることが大切であるということを再確認できました。さらに、所員の方からは、「科学館の体験はその場限り。でも、それを積み重ねていけるのが学校の利点である。」というお話も頂き、子どもたちの理解を深めるためには、日々どのように授業に取り組んでいけばよいのかということを、改めて考えることができた一日だったと思います。
(理科教育研究室)