令和6年度の大阪府教育センター研究フォーラムは、「大阪の子どもたちのウェルビーイングの向上~教育からのアプローチ~」を共通テーマとしています。未来を切り拓く力をつけることは、ウェルビーイングの向上に直結します。そして、そういった力をつける授業こそが「探究」ではないかと考え、第9分科会では、テーマを「高校の授業をどう『探究』にしていくか~未来を切り拓く力の育成をめざして~」として、ワークショップや講演を行いました。
前半のワークショップでは、参加者のみなさんに生徒になっていただき、地理歴史科と数学科の題材に取り組んでいただきました。指導主事から投げかけられる問いに対して、参加者のみなさんから「えー、なんで?」「あ、そういう見方もできるんや!」といった声や、何度も何度も数式を書きなおすといった姿が現れていました。その後、2教科のワークショップの中でふいに発してしまった"つぶやき"なども含め、自身にどのような「探究の姿」が現れたのかや、その姿が現れるきっかけが何だったのかについてグループでお話ししていただきました。
後半は国立教育政策研究所の小林廉調査官から「自立した学習者を育成する『探究的な学び』のデザイン」と題して、ご講演いただきました。調査官からは具体的な事例をもとに、「探究的な学び」とはどのようなものなのか、日々の授業において「探究的な学び」を実現していくためにできることは何かなどについてお話しをいただきました。
参加者からは「探究的な学びについて、自分の実践と関連づけて考えることができたので、深く理解することができた」や「生徒の学びを引き出す『発問』を意識して授業づくりをしたいと思いました」といった感想をいただきました。
「なんでこうなるんやろう?」「それってどういうこと?」といった真理の追究に向かう生徒の姿を積み重ねていくことこそが「探究」と言えるかもしれません。そういった生徒の姿を引き出す教員からの「きっかけ」によって、生徒が学びを楽しむ姿が授業でたくさん現れることを願っています。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
高等学校教育推進室