8月25日「選手権に向けて⑰」

選手権まで残り3日。
 
僕はサッカーを小学3年生のときに始めた。
何か大きな夢や目標を持つわけでもなく、ただサッカーを楽しむことで満足していた。
 
畷高サッカー部に入っても、特に何かを成し遂げたいと思うことはなく、
ただサッカーを楽しみ、試合で活躍したいと思うだけだった。
とにかく自分のためだけにサッカーをしていた。
 
2年生になって、後輩ができて、自分が見本になる立場になったとき、
初めていかに自分が畷高サッカー部のことやチームについて考えていなかったかを実感した。
 
それからは、チームのことについて考えるようにした。
夏の段階で、僕はBチームで、Aチームに上がることは、
これまでの行動からないだろうことは理解していた。
だからなるべくAチームに良い影響を与えられるように、
Bチームで何ができるかを考え、行動し、直接的でなくとも選手権に関われたらと思い努力していた。
 
しかし、選手権が終わり、自分の代が最高学年になり、チームを引っ張らないといけない時期に、
しんどさや危機感の欠如から夏のレベルの基準を維持させることを怠った。
 
それからはスタメンどころか、ベンチにも入れないときがあり、
夏の頑張りや少しの評価も全部失った。
 
春の大会でもスタメンはなく、敗戦した上宮戦では試合に出ることさえできなかった。
 
正直、今までプライドが傷ついたり、楽しくなかったりと、
つらいことばかりだったがチームで勝つことだけがつらさを払拭してくれるものだった。
 
春の大会の2回戦でPK戦のとき、僕が最後に決めて勝った。
そのとき、僕もチームの勝利の立役者の1人になれたと思い、
これまでの努力は0ではなかったと初めて思えた。
そう思えたときは、とても嬉しかった。
 
夏の選手権で勝つということは、その嬉しさをはるかに越えるものだろう。
 
そして、何も残すことのできなかった76期77期に最後に残すことのできるものだ。
 
自分たちのために時間を割いて、たくさんのことを教えてくださった先生や先輩のため、
今までついてきてくれた76期77期のため、一緒に戦ってきた75期のため、
そして支えてくれた周りの人のために、全力を出して勝利する。
 
もう一度、今までの2年半が無駄ではなかったと思えるために。
 
3年プレーヤーS
 
掲載:顧問山磨