選手権に向けて⑩「締めくくり」

中途半端。


今までの自分を一言で表すならそんな感じだと思う。


サッカーを始めたのは小4の頃だった。友達といて楽しいからという理由でサッカーを始めた自分には身体的、技術的に秀でたところはなく、上手くいかない日は調子のせいにして毎日やり過ごしていた。


そんなだったから上手い子達とは一線を引いてどこか敵わない、追いつけない存在だと諦めていた。


何度か辞めようと思ったこともあったが、友達と離れたくないと惰性で続けていた時期もあった。


そんな考えが変わったのは畷高サッカー部に入って半年が経った頃だった。


1年生の夏、死に物狂いで頑張る先輩に触発されて少し新しいことに挑戦してみるとその頃のキャプテンに評価されてAのメンバーに入れてもらえた。


正直Aの練習には全くついていけなかったが、先輩に厳しいことも求められチームの一員として認めてくれていると感じたことがただただ嬉しかったし、楽しかった。


その頃からサッカーに対して上手くなりたい、周りのライバルを超えて試合に出たいと強く思うようになった。


僕が畷高サッカー部に入って得た物として1番大きなものは、強い気持ちで何か行動を起こす姿勢を持ちさえすれば、特別な物を持っていなくても周りの人や相手を超えうることがあるということだ。


特にこのチームではそれが顕著に表れると思う。


みんなにはそのサッカーに対する姿勢を大切にして欲しい。


いつもより早く来て周りの子より多く走ってみたり、いつもより大きく声出しをしてみたり、ボール拾いや片付けを率先して行ってみたり、何か小さなことでもいいから行動を起こしてそれを継続して欲しい。


畷高サッカー部では絶対にそこをキャプテンや副キャプテンが見てくれているし評価してくれる。


この向き合う姿勢の大切さが僕が畷高サッカー部で学んだことであり、みんなに1番伝えたいことでもある。


僕ももう3年生になり、苦しい時に一緒に頑張って支えてくれた仲間やこんな自分を慕ってくれる後輩に助けられながらなんとかここまでサッカーを続けることが出来ている。


このチームでサッカーが出来ていること、こんなに多くの素敵な仲間に囲まれていること、本当に幸せなことだと改めて感じる。


何かみんなに恩返しが出来るとすれば、こんな半端な自分でも戦うことが出来るという姿勢を見せることだと思う。


色んな失敗もしてきたが、終わり良ければ全て良し。


選手権という高校サッカー最後の舞台で全力をぶつけ、何かみんなが感じるものがあればいいなと思う。


3年プレーヤーS


掲載顧問浅田