今からおよそ1年前、僕はこのサッカー部のキャプテンになった。
サッカーは大好きだったから、このサッカー部で試合に関わることはこれ以上ない喜びであったが、正直自分がキャプテンになるとは想像していなかった。
それだけに喜びや楽しみな気持ちよりも不安な気持ちが大きかった。上手くやれるだろうか。そんな気持ちを抱えたまま僕のキャプテンとしての日々が始まった。
周りの人の目を気にしてしまう。これは僕にとって一番高くて困難な壁だった。
この一年間、"キャプテンとして"の姿を常に自分自身に重ねてきたけれど、実際には素直に想いを口にすることができない自分や行動を躊躇ってしまう自分がいた。
だからそんな自分にがっかりする瞬間が何度もあったけれど、何よりも悔しかったのはやはりインターハイの舞台で何も残せなかったことだった。
それまでうまくいかないなりにも信じてついてきてくれていた仲間を裏切ってしまった。そのことが情けなかったし、それまでの自分自身の行動に後悔した。
できることをただ必死でやろう。あの日自分自身でそう決めた。
上手くいくことばかりではなかったけれど、それでもチームメイトは信頼してくれていたし、選手権で強豪校を倒しにいくという目標に向かって切磋琢磨できる関係になれた。
そのように過ごしていく中で気づいたことがある。
それは想いは伝えられるということだ。言葉にして相手に伝えることができればそれで良いのかもしれないけれど、それだけではなくて、一生懸命に努力する姿には人を動かす力があることを知ったし、僕は何度もそんなチームメイトの姿に奮い立たされた。
つまり、それぞれの人に活躍できる場所があるということだ。
そしてそれは明日も同じことが言えると思う。
ピッチに立つ選手の力だけで勝つことができるような簡単な試合ではないかもしれない。
だが、チーム全員が勝利を信じて、互いに支え合うことができれば、必ずその先に進むことができると確信している。
いよいよ選手権が始まる。
この一年間、チーム全員で良い時も悪い時も一緒に成長してきた。その時間の全てを自信に変えよう。最高の舞台で強豪校に挑戦することができるチャンスを楽しもう。
最後になりましたが、これまで僕達の活動をいつも傍で支えてくださった先生方、ありがとうございました。
このサッカー部でなければこれほど自分自身に向き合い、成長していくことはできなかったと感じています。
そして、応援してくださっている皆様、本当にありがとうございます。
明日も引き続きご声援の程よろしくお願い致します。
最高に熱い夏が始まる。
まだまだここでサッカーがしたい。
3年主将 F
掲載顧問浅田