『大活躍』
僕は中学生の頃からサッカーを始めた。最初はパスすらできない下手くそで、何もできなかったけれど、さすがに三年間やれば少しはマシになった。
中学を卒業するときにはサッカーが大好きになっていた。そして高校に入ってもサッカー部に入ろうと思っていた。他の部活に入る選択肢は一切なかった。一年生の時は試合に出たい一心であらゆることをした。それが評価されてAに入ることができた。ただ、自分の目標である試合に出ることは叶わなかった。あっという間に選手権は終わって3年生が引退して、77期の代になった。
77期の代になってもなかなか試合に出ることはなかった。ベンチにすら入れない時の方が多かった。ベンチに入っても試合に出れず、試合に出ている同期をベンチから見るだけだった。76期、77期の代の時に僕は何も成し遂げることができないまま先輩が引退していった。
僕たちの代になっても僕は試合に出れなかった。欠点をとって自主練に参加できなかったり、走力が足りなかったり、他の同期に比べて劣っているところが多かった。今年に入ってからはU-18にもベンチから交代で出られるようになった。そして迎えたインターハイはベンチに入ったものの出られずに終わった。それがとても悔しかった。そこからもU-18に出続けたが、毎試合活躍できずに終わった。
僕はチームを勝たせる選手になりたい。そう思ってやってきたけれど、現実はそう甘くはなかった。夏も終わり、ついに最後の大舞台の選手権がやってくる。先輩や同期や後輩に恵まれてこの三年間サッカーをやってきた。このチームで1週間でも長くサッカーがしたい。そして僕がチームを勝たせるぐらいの大活躍をしたい。今まで何もできなかった分、選手権でチームに貢献したい。その思いを持って、僕は選手権までを全力で駆け抜ける。
3年プレイヤーF
掲載:顧問佐藤