選手権ブログ⑤

『恩返し』

僕はこのサッカー部が好きだ。
高校からサッカーを始めた僕は、1年生のときはしんどい部活が嫌いだったし、あの頃はただただ惰性で部活に行っていた。2つ上の代の選手権も全く関わることができず、知らない間に先輩たちは引退していた。
特段才能のあったわけでもない僕は、周りの誰よりも下手だったのに周りの誰より根性がなく、努力もしていなかった。
1年生の冬、怪我から復帰して一ヶ月ぶりにするサッカーは驚くほど楽しくて、今までとはまるで違うものだった。
それ以来、練習で声を出すようになったり、自分なりに精一杯部活と向き合うようになった。ただ、今思い返すと僕は自分が下手くそなことから目を背けていたのだと思う。
2年生もあっという間に終わってしまい、そこでも試合に関わることはできなかった。
3年生になり、ようやく自分の弱さに危機感を持ったが、相変わらず試合には出れず、いつも惨めな気持ちで外から試合を見ていた。
僕はサッカーをやってきて楽しかった思い出はほとんどないし、辛かったことばかり覚えている。
何度も退部を考えたし、サッカーなんて始めなければよかったと思ったことも数え切れないほどある。
それでも今だにサッカー部に残っているのは78期の皆のおかげだし、皆がいなければとっくに心が折れていたと思う。
だから僕は四條畷高校のサッカー部が好きだ。
いろんな人の助けを借りて僕はここまで来た。
サッカーを好きにさせてくれた先輩方。こんな僕と一緒にサッカーをしてくれた同期たち。後輩たちにも本当にたくさんの力を貰った。
この恩を選手権で返したい。
惨めなままで終われない。自分の3年間は無駄じゃなかったと証明する。
僕は自分の全てをこの選手権にぶつける。

3年プレイヤーN

掲載:顧問佐藤