シンガポール・レポート(2) 8月25日

 8月25日午前にイシュンジュニアカレッジ(YJC)を訪問しました。ジュニアカレッジは日本の中学校に相当する中等学校を卒業した生徒が大学で学ぶ準備をするための教育学院です。いわゆる飛び級の制度もあるので1年生には16歳と17歳が混在しています。

singapore03.JPG 明確なビジョンやミッションなどに基づいて大学で学ぶための知識や技能を学び、リーダーシップを育む教育が行われています。

singapore04.JPG 教育の大綱は国が定めていますが具体的な教育内容である「リーダーシッププログラム」と「学習カリキュラム」の二つの体系は学校が独自に決めています。生徒は自分の得意、不得意や将来の志望に従ってコース、科目が選べるよう工夫がされています。教科書はなく、教員が教材を作成します。授業はほぼ英語で行われており、生徒たちは常に主体的に学び、考えることを求められています。

 8月25日午後は、国の教育行政機関である教育省を訪ね、シンガポールの教育システムについてお話を聞きました。

singapore05.JPG まず、驚いたのはスタッフが総体的に若いことです。庁内全体でも平均年齢が四十代後半とのこと。実はシンガポールは、教員の年齢も若く、平均年齢が36歳、校長は48歳です。
 教育の方向性としては1997年頃から知識・技能ベースでクリティカルシンキングやクリエイティビティを育むことがめざされてきました。2012年からはさらに生徒主体に独創性を育む教育が志向されています。教育にかける予算も大きく、今年度は92億米ドル、これはGDPの3%に相当します。

singapore06.JPG 小学校(6年間)の終了時にPSLEと言われる卒業試験を受け、その成績により中等学校(4~5年)の進むコースが決定されます。その後はジュニアカレッジ、ポリテクニック、技能教育研修所といった進路があります。大学にはジュニアカレッジやポリテクニックから進学します。

(大阪府教育センター 企画室長 南部潔)

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