府立高校に対して、カリキュラム研究室では平成24年度からパッケージ研修支援を実施しています。パッケージ研修支援とは、「組織的な校内研修体制の確立」と、学校教育自己診断等から明らかになった課題の改善を通した「教員全体の授業力の向上」のために、継続的な支援を行うものです。
授業者の実施する授業の教科に応じて理科教育研究室や情報・技術研究室が担当する場合もあります。平成26年度からは、支援学校に対してもパッケージ研修支援を実施しており、支援教育研究室が担当しています。
パッケージ研修支援実施校数は以下のとおりです。
パッケージ研修支援の目的である「組織的な校内研修体制の確立」と「教員全体の授業力の向上」を実現するために重要なのは「教科の枠をこえる」ことです。
「専門外のことは分からないから」と、研究授業や研究協議を企画しても参加人数が少なく、授業研究が進まないといったことはないでしょうか。
そこで、登場するのが「授業観察シート」です。今年度パッケージ研修支援を実施した日根野高等学校では次のような「授業観察シート」を作成しました。
冒頭にある「わかる授業・充実した授業」をめざしてというのが学校のめざす授業像です。
「項目」にはどの教科にも共通する内容が並んでいます。これにより、研究授業の際に他教科の教員でも参加し、協議しやすい状況が生まれます。全ての「項目」を1回の授業で判断することは難しいので、教科の特性等に応じて「項目」の取捨選択をして、研究授業、研究協議に臨むことになります。
「項目」をつくりあげる素材は、「校内全体研修」のグループワークにおいて供給され、まとめられていきます。つまり、「校内全体研修」の参加者が多いほど多くのアイデアが出され、多くのスタッフが関わった「授業観察シート」が作成されます。ここで学校のオリジナリティーが発揮されます。
日根野高校の場合は、「初心にかえって」の大項目を加えたことと「本時の観点」の欄を設けたこと、さらに「授業観察シートの使い方」も作成した点で、オリジナリティーが溢れています。
「授業観察シート」の活用から「組織的な校内研修体制の確立」に向けた着実な成果が、日根野高校には期待できます。
パッケージ研修支援の取組の一部を紹介しましたが、10月後半からは、パッケージ研修支援実施校での事前授業、研究授業が多く行われています。11月になると、高等学校初任者研修における受講者による授業やカリナビ支援で府立高校へ出かけることも多く、12月を迎える前から指導主事は走り回っています。
なお、パッケージ研修支援の内容等については、府教育センターの以下のサイトをご覧ください。
・府立学校「パッケージ研修支援」
http://www.osaka-c.ed.jp/development/furitsupackage_top.html
・府立高等学校「パッケージ研修支援」レポート
https://www.osaka-c.ed.jp/blog/edu/packageshien/index.php
・パッケージ研修支援実施校の授業観察シート
https://www.osaka-c.ed.jp/blog/edu/jugyouseet/index.php
(カリキュラム研究室)