教育支援センター便り ~心理支援ワーク~

 大阪府高等学校教育支援センター(愛称:ルポン)では、心理的または情緒的原因などにより登校の意思があるにもかかわらず登校できない高校生を対象に、「学習支援」や「心理支援」を行い、学校復帰に向けたサポートをしています。小集団やグループでの活動に対して心理的抵抗や不安を感じる生徒もいるので、その不安や緊張を緩和し、自信が芽生えるよう、様々な人やモノと出会える心理支援ワークを実施しています。今回は、10月~11月に府立高校の教育相談指導教諭に行っていただいたワークについて紹介します。

 「リフレーミングかるた」では、ネガティブな読み札からポジティブな取り札を取るかるた大会をしました。ワークを通じて、例えば「おしゃべりな」は「社交的な」「周りを気にする」は「心配りができる」など短所と感じてしまうことから長所へ読み替え、つい偏った見方になってしまいがちな人やモノへの価値観を広げる練習をしました。

 「人生すごろく」では、自分でスタートとゴールを設定し、今までとこれからの人生をテーマにしたオリジナルのすごろくを作りました。ワークを通じて、今まで自分が経験してきた葛藤や挫折、困難を乗り越えた経験、周囲に助けられたときの感謝の気持ちなど自身の歩みを振り返り、将来の目標を考えました。

 「カラーリング」という塗り絵では、1つの細かい原画に対して多種多様な塗り方を学び、お互いの作品から表現の違いに気付くとともに、集中して作品と向き合う楽しさを知りました。

 「フェルトのサイコロ作り」では、まず、みんなで話し合い、サイコロのモチーフを動物にしようと決めました。6面のうち1面ずつ担当して思い思いの色のフェルトを組み合わせ、愛らしい1つのサイコロを合作しました。

 「飛び出すカード作り」では、2枚の画用紙を選び、思い思いのテーマやモチーフでオリジナルの飛び出すカードを作りました。このワークを通じて、思いを言語化するように、作品をどんな色や形で表現しようかと考え、試しながら作る楽しさを知りました。また、その日だけでは終わらず、何日もかけて学習の前後や家でコツコツと作業をしていました。「もっと細かく仕上げたい」「新しくパーツを増やして完成させたい」と自発的に制作を続け、できあがった作品は、ルポンの一角に飾っています。

 こうした心理支援ワークを通じて、生徒たちは集中して何かに打ち込む楽しさや達成感を感じたり、お互いの作品を褒めあうことで自信につながったりしているようです。生徒一人ひとりの活動の様子や振り返りを丁寧に見守りながら今後も支援して参ります。

1人1面を担当し、組み合わせたサイコロ













コツコツと制作した飛び出すカード

(教育相談室 大阪府高等学校教育支援センター)

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