今回は府内の「大阪府へき地・遠隔小規模校教育研究会」に加盟している4つの小学校(高槻市立樫田小学校、茨木市立清溪小学校、茨木市立忍頂寺小学校、和泉市立南横山小学校)の校長が参加した研修について紹介します。
令和4年度へき地等学校長研修は、当初1月25日(水)に実施予定でしたが、寒波による大雪の影響で2月15日(水)に延期し、茨木市立忍頂寺小学校と近隣施設の「見山の郷」で実施しました。
午前は、忍頂寺小学校の校長によるお話しの後、授業参観及び校舎内を見学しました。
森校長より「忍頂寺小学校の取組み」として、縦割り班活動(遠足・運動会・演劇・田植え・稲刈り・もちつき等)の様子を写真や動画を用いて発表いただきました。特に地域と密着した取組みとして、米作り体験学習では、地域の方から田んぼをお借りし、地域の方々と一緒に、田植え、稲刈りを行い、収穫したお米でもちつき大会を行っています。子どもたちはこうした取組みにより、農作業の大変さを実感するとともに、食べ物や食料生産等に関わる方々へ感謝する心をはぐくんでいるとのことでした。
![]() |
次に各学年の授業を参観しました。
1年生の算数では、ブロックを用いて引き算をすることで数字と量の結びつきを学んでいました。子どもによって、ブロックの並べ方がそれぞれ違っており、どのようにして考えたのか、また、どのように考えるのが最適か、少人数を生かし、クラス全員が発表していました。課題に対して主体的に取り組み、考えることを楽しむ様子が伺えました。
図書室では、4~6年生が合同で読書活動を行っていました。グループに分かれ、おすすめの本の魅力を紹介し合い、その後、ディスカッションを通していちばん読みたいと思った本を投票で決めるという、ビブリオバトルを行っていました。この活動を通して、様々な本に出会うだけではなく、話す力、聞く力の向上にもつなげています。
午後は、近隣の農作物直売施設「見山の郷」を訪問し、忍頂寺小学校の卒業生でもある、農事組合法人 見山の郷交流施設組合 理事長より、地域と学校とのつながりについてお話いただきました。
「見山の郷」では、見山地区で採れたお米や野菜、農作物加工品を販売されています。特に、見山地区で代々伝えられてきた味噌づくりを参考に商品化された大阪産(おおさかもん)の「龍王みそ」は、茨木市内のすべての公立小学校の学校給食に利用されており、子どもたちが食文化や食に関わる歴史等を学ぶきっかけとなっています。
また、野菜収穫祭やみそ作り体験、子ども祭りなど、様々なイベントが定期的に開催されており、忍頂寺小学校や清溪小学校の子どもたちはもちろん、地域外からも多数の参加者が来場し、地域の活性化にもつながっているとのことでした。
地元の良さを知り、地域の恵まれた自然環境を生かしながら、特色ある教育活動を進めることが、自分の住む地域に誇りをもつことにつながるということを、今回の研修で学ぶことができました。
企画室