8月20日(火)に高等学校「理科(地学)」観察・実験研修を実施しました。本年度は教育センターの大型望遠鏡等を用いた天体観察と、振り子の実験を通じた地球の運動についての観察・実験を行いました。
研修当日は雲が多く、太陽の観察ができるかどうか不安な天候でしたが、わずかな時間ではあるものの、雲が切れ、太陽の黒点などを無事観察することができました。また、Hα太陽望遠鏡による観察も行いました。Hα望遠鏡には太陽に含まれる水素が放つHα線だけを通すフィルターが入っています。分光器を使ってHα線を観察すると650nm付近に輝線を確認することができました。
次に、いわゆるフーコーの振り子の実験を行いました。振り子を長時間振動させると、地球の自転の影響で次第に振動面が変化します。この振動面の回転は、北極点では24時間で360°、1時間で15°、 教育センターの緯度(北緯約34°)では1時間に約8°となります。今回はレーザーポインターを振り子とし、その光を凹面鏡で反射させることで、短時間で小さな振動であっても振動面の回転を捉えられるように工夫しました。実験の結果、約15分間の振動で2°回転していることが分かり、実験前の予想通りとなりました。
研修の最後には、一般的な赤道儀式の望遠鏡の組立て方と観察方法について確認した後、教育センターの屋上から生駒山の観察をしていただきました。受講された先生からは「思っていたよりも簡単に組み立てられることに驚きました」「生徒にもぜひ天体観測を通して宇宙の神秘さを感じさせたいです」といった感想をいただきました。
高等学校教育推進室