「打倒私立強豪」

僕たち四條畷高校サッカー部の目標は「打倒私立強豪」である。

もちろんそれは「2部以上に勝つ」や「選手権5回戦で勝つ」など具体化するとさまざまな目標になると思うが、私はこのサッカー部がずっと勝ち続けて全国大会まで行くのは現実的に難しいと思う。

つまり、どこかで負けてしまうタイミングが来るということである。

この「どこかで負けてしまう」ということを考えると、私はたとえ負けるとしても目標にしているレベルの強豪校を倒してからさらに上の強豪校と試合をし、全員が120%の力を振り絞って戦った上で負けたいと思った。

しかし私の頭の中には最悪のパターンが思い浮かんだ。それは「目標の強豪校と当たる前に負ける」ということである。

どこで強豪校と当たるかはわからないが、強豪校を倒すのなら当たり前だがそこまで勝ち上がる必要がある。この当たり前の事実に対して気づいていないもしくは危機感のない人が多いと思う。

練習中に「このままで私立強豪に勝てるのか」といった声かけはよくあるが、それは「私立強豪と当たることができる」という前提あっての声だ。

想像してみてほしい。僕たちがずっと超えることを目標としていた壁に触れることすらできない悔しさを。私立強豪と当たる前に負けてしまった時の残る後悔を。弱ければ、努力しなければ目標に挑むことすらできない。

それに対する危機感は皆持っているのだろうか?

しかももっと最悪なパターンがある。それは「自滅すること」である。公立校大会の登美丘戦を思い出してほしい。

もしも最後になるかもしれない試合で勝てると思って甘い雰囲気で試合に臨み、敵を見失い、味方に不必要に叱責してチームの雰囲気が悪くなった状態で強豪校と当たる前に負けてしまったらどう感じるだろうか。

登美丘戦と同じように自滅してしまったら私は高校サッカーに後悔しかなくなってしまうと思う。今のままでは私立強豪校と試合することすら叶わず、自滅して後悔しか残らないという状態になってしまう可能性がある

こんな未来を誰が望むのか。こんな未来が嫌だと思うのなら、強いチームになるしかない。「私立強豪と試合する」ところまでではなく、「私立強豪を倒す」ところまで強くなろう。

最悪の未来を迎える可能性があることを考えて一回のトレーニング、一本のパスに本気になろう。

私はどこがで負けてしまうのなら、後悔はあっても全て出し切って終わりたい。涙を流したとしても全て出し切ったという自信を持って引退したい

2年プレーヤー Y

掲載:顧問浅田